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2008/11/28 (Fri) 土曜に耳鳴る越境(後編) ? 解離性障害 ?

20081128.jpg
◇土曜に耳鳴る越境(前編) の続きです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

救急車が来るまでも私は生きていられない気がした。電話を切ったら、着信を見て電話してきてくれたブロガー友達と繋がった。泣き喚いた。うまく説明できず「救急車が来る」しか言えなかった。友達が何か言ってくれたが、私の頭では理解できなくなっていた。
そういえば救急隊から電話が入ると言っていたのを思い出して電話を切った。友達にメールした。

救急車のサイレンが聞え、担架を持った救急隊員が3,4人来た。
ドアを開けるだけが精一杯で、私は錯乱状態で何も説明できず、子供のように泣き喚くしかできなかった。
警官も、2,3人来た。あっという間に、うちに人が詰め掛けた。状況が把握できず呆然とした。
私が「ブログが・・」とか「ドキュメンタリーが・・・」と泣き喚くから、救急隊員や警官が私のパソコンをのぞきこんでいた。
名前を訊かれた。実名を名乗ったが、それを私は自分の名前だと実感できないのだ。年齢も答えたが、囚人の番号札と変わりない。解離性障害だ。
「ちくしょう!」とか「殺してやりたい!」とか叫び続けた。

別の友達が携帯に電話をくれた。自助グループのメンバーだった。
ドキュメンタリーの続編も、理解を求めるのも100%不可能ですよ、とコメントに書かれた言葉を思い出し、話した。
気がついたら泣きながら叫んでいた。
「絶対負けない!絶対やってやる! ブログも自助グループも展覧会も全部! ちくしょう!口先だけの人間にやられてたまるか!やらなきゃ誰がやるんだよ!殺したい!死ね!負けてたまるか! 」
友達は、全部聞いてくれた。「大丈夫だからね。守るからね。大丈夫だよ」と言い続けてくれた。
私は、彼女に叫んでいるようで、自分自身に言っているんだと思った。負けてたまるか。口先だけの人間に好き勝手言われてたまるか。

救急隊員の目を盗み、齧れるだけどんどん薬を齧って飲み込んだ。
もうすぐ友達のJが来る。多分、子供たちを連れている。こんな不安定な私を子供たちには見せられない。Jの子供たちが、私は大切で仕方ないのだ。薬が必要だった。
途中で気づかれ、救急隊員に取り上げられ怒られた。これ以上駄目だというが、何が駄目なんだろう。まだ隙をついて飲もうと思った。1人で生きられる。


救急隊員の白いビニールの手袋に、私の名前や症状、年齢、通院先、カウンセラーなどが書かれてあった。
私は、謝った。
私は大丈夫だから、他の大変な人のところへ行ってくださいと頭を下げた。
私は冷静ですと言ったが、全然冷静じゃないですよと救急から言われた。確かに全身の震えが止まらない。
実家はどこですかと訊かれ、恐怖で震えた。実家には伝えないでくれと叫んでいた。
友達Jさんが来るから、それまではここにいますと救急隊員や警官が言う。

「どうしたいですか?したいようにしますよ?」と、何度も救急隊員が言う。私に訊いてくる。
私は、もはや答えようがなかった。
どうしたいのかも分からなければ、どうすればいいのかも分からない。考えられない。
「わかりませんわかりません。大丈夫です」としかいえない。
それでも訊かれ続けるので、
「どうしたらいいんですか?私の病気は治らない。どうすればいいんですか?」と訊き返すしかなかった。
「人格障害は治らない」
と言った私に、場が静まった。私は絶望して両手で顔を覆って泣いた。治らないんだな、と実感した。誰も私の言葉に反駁できない。


とにかくJの到着を待つしかなかった。
その間、私は自分の病気や家庭について、語れるだけ語った。
救急隊員であろうと誰であろうと、とにかく私は語りたかった。伝えたかった。ドキュメンタリーの話もした。再放送するならば見てくださいと伝えた。とにかく知って欲しかった。他に自分に出来ることが何も見当たらない。
入院の場合、どういう手筈が必要なのか、救急の場合どこへ連れて行かれるのか訊いたりもした。その合間、合間に激情が襲ってきて泣いた。
駆けつけてくれるJは、DVと戦っていて自由に動ける状態じゃない。彼女をこちらに来させてはいけないんだと救急隊員に激しく言い募ったり、警官に「彼女の夫こそ逮捕してください」と泣き叫んだりした。
私の錯乱に気圧されたのか、そんな悲惨など見慣れているのか、返す言葉がないのか、誰もが沈黙していた。


警察の方々がパトカーでJたちを迎えに行った。間もなくして、玄関に子供たちの声が聞えた。
みとりちゃん、どうしたん?大丈夫?しんどいん?と、3歳と7歳の声が聞える。色々な人たちの間を縫って駆け寄ってきた子供たちは、「みとりちゃん、パトカーに乗ってん!パトカーに乗ってんで!」とご機嫌だった。彼らを抱き寄せると、ほっとした。見慣れたJの顔を見て、更にほっとした。

みとりちゃん、どうしたん?大丈夫?どうしたん?と、子供たちは気遣ってくれた。
私はいつも彼らには嘘をつかないことにしているから、ごめんね、ちょっとしんどいねん、と答えた。

子供たちを見た瞬間の私の表情のことを救急隊員が「随分表情が変わった。安心されたようですね」と言った。私のことをJと救急隊員が話し合ってるみたいだった。私は、相変わらずどうしていいか分からなかったが、私に話しかけてくる子供たちの相手をしていると、もう何もかも過去のことのようにも思えた。

救急隊員と警察が帰り、私はJの家に連れ帰られることになった。
1人でいたくなかった。

早速、子供たち二人は遊び始めた。うちにバイオリンがあることを覚えていた3歳のHくんは、まだ小さいからバイオリンを持つとギターを持っているように見える。彼もギターにすることにしたらしく、弦を弾いて奏でてくれた。
7歳のHくんは、私の異常に気づいているようだった。でも、普段どおりDSでゲームを始め、「みとりちゃん、やらせたろか?」と、私にルールを教えてくれてゲームを貸してくれた。
キーボードを発見したHくんが、今度はでたらめなピアノを弾きながら保育園で習った歌を披露してくれた。
いつもの兄弟喧嘩が始り、はしゃぎまわったり、遊んだり、喋ったり、急に騒々しくなり、私はぼんやりしていたが笑っていた。


何を持っていいか分からず、着ていた服の上にコートを羽織り、携帯と薬、財布、ポーチを持った。文鳥二羽ともカゴに戻し、エサと水を確認し、ヒーターとサーモスタットをセットして確認し、文鳥たちに説明した。ごめんね、調子が悪くてちょっと一晩出てくるけど、必ず帰ってくるから待っててね、と話しかけた。上のAくんが見ていて、「何話してたん?」と訊いてきた。動物を飼ったことがない彼には、動物と話す私が不思議に見えるようだった。

Jと子供たちと私、4人で家を出た頃には、ODした薬がまわってきた。まっすぐ歩けているのか、分からない。
電車に乗って彼女たちの家に着くと夜の10時近くになっていた。
子供たちは、大はしゃぎだ。
私は、くたくたになっている気がして寝ようとしたが、子供が一緒にカレーを食べようと誘う。「みとりちゃんと食べるねん。カレー一緒に食べようね」と言ってくれる。嬉しい。慕ってくれる子供たちが可愛い。
Jの夫に挨拶するも、もはや自分がどこにいるのかよく分からなかった。
子供たちに「疲れてて具合悪いの。救急車が来たくらいしんどいから、眠らせてね」と話した。
Jが敷いてくれた布団に、そのまま倒れこんだ。


カウンセリングと病院の往復に、私はすっかり疲れていた。どちらに行っても私は死にたくなる繰り返しだった。ODしたり、飛び降りようと屋上まであがって頑張ってみたり、車道に飛び出てひかれようとしたり色々やったし、とにかく1人の部屋に帰りたくない毎日だった。
そんなものが積み重なった末、診断名は右往左往した結果「解離性同一性障害」と下され、ブログは荒らされていた。
臨界点を越えてしまった。


浅い眠りの中、隣のキッチンでHくんが「みとりちゃんの分のカレーもついで」とか、「みとりちゃんと一緒にカレー食べる」と言っているのが聞えてきた。思わず笑った。「寝かせといたり」と言っているJの夫の声も聞えてきた。

1人が耐えられなかった私には、そんな声のどれもが有難くてたまらなかった。安心した。1人じゃないんだと思えた。もう何日も眠れない日々が続いていたが、こうして眠りたかったのだと思った。
傍らに賑やかな家族の声を聞きながら、深い眠りに落ちた。


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Author:美鳥(みとり)
被虐待サバイバー。解離性同一性障害、うつ病、対人恐怖症ほか色々闘病中。境界性パーソナリティ障害寛解しました。毎日の光と影を綴ります。生育歴・来歴・病歴・活動はこちらをご覧下さい⇒<はじめに Profile>

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診断名の有無に関わらず、生き辛さを抱える方々と温かい繋がりを目指しています。ご感想ご意見など、お気軽にどうぞ。お待ちしています。

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