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2008/10/29 (Wed) 情熱で目隠し ?失語症・コンプレックス?

お前は音痴だ音痴だと、子供の頃から言われ続けて育った。
主に父親と祖母から、刷り込みのように繰り返しからかわれた。
鼻歌を歌っただけで、爆笑される家庭環境だった。
そう言う父親は、今も昔も抜群に歌が上手い。

私は人前で歌うことが苦痛でたまらなかった。
自分の声が大嫌いだった。
ピアノを習っていたから音楽は好きだった気がする。でも歌は大嫌いだった。

小学校2年生の時、私の歌を「うまい」と褒めてくれた先生がいた。
終わりの会で「みとりさんは歌が上手い。皆の前で歌ってね」と言われ、皆の前で歌った。
私に「心」という概念を教えてくれた先生だったが、私が記憶しているのは、そのときに歌ったこと位だ。随分とお世話になった恩師だと思う。
先生なりのお世辞だと思った。
しかし、怯えて小さな声で歌い終わった私に、クラスメートが拍手してくれた。
これもまた、お世辞だったかもしれない。
けれど、私は歌が嫌いではない気がした。

好きなことと上手いことは別だ。
相変わらず家では、歌う度に笑われた。
まるでピエロだった。とにかく私が歌うとおかしいらしかった。
からかいのネタを一つ提供するだけで、家族は腹を抱えて笑った。
私は、コンプレックスを抱えたまま大人になった。


失語症で喋れなくなった数年前、私はノイローゼで毎日「うう」とか「ああ」とか、獣のように呻き咆えては床を転げまわり頭を打ちつけ続けた。
段階的に言葉を失っていったが、最後まで発することが出来た言葉は、メロディに乗せられた言葉だった。
歌うことだけは、辛うじて出来た。
泣き喚き、息をしている一秒も耐えられない地獄の泥沼を転げまわった。
狂うことに精も根も尽き果てたとき、ふと奇妙な平静が訪れることがあった。
そんなとき、私は歌を歌った。
歌いたい曲が歌いたいように歌えなかった。
私は確かに歌が下手糞だと思った。
泣きながら歌った。
そしてまた、発狂寸前の不安や絶望や苦しみが襲ってきて、獣になって私は自分を痛めつけ続けた。

そのうち音楽も分からなくなった。歌も歌えなくなった。
けれど、このときに必死で身に着けた独学の発声法が、言葉を取り戻した今になって、ささやかな遺産として残った。

数ヶ月前に東京に滞在したときは、ブログで知り合った友達のバンドにボーカルで参加させてもらった。夢のような時間だった。
◇波動
人前で歌えず、喋ることもままならず、俯いて出来るだけ目立たないように生きていた私が、歌いたい歌を歌いたいだけ歌えることが幸福だと思った。
生きていることを実感した。


偶然、命拾いした後の昨日、一人で歌いに行った。
3時間半、好きな歌をぶっ通しで歌い続けた。楽しかった。
喋ることよりも私は、歌うことが好きかもしれない。
飽きないし、疲れても疲れても、まだ歌いたいと思う。

散々、下手だ下手だと言われてきた。数限りないコンプレックスの一つだった。
歌っていると、自分が生きていることを実感できる。
今の私にとって、上手か下手かはどうでもよくなった。
全身の血が騒いで踊りだす喜び、楽しみを感じることが出来るなら、それでいい。
生きている人間を前に、上手だ下手だと採点するなんて野暮だ。
それが何の役に立つ。



大好きなEGO-WRAPPIN' 。
歌うと100倍楽しい、全身の細胞が沸騰する歌。
サイコアナルシス EGO-WRAPPIN' 歌詞情報 - goo 音楽


○お知らせ
先日の記事◇狂乱を生きる - 境界性パーソナリティ障害・希死念慮 - (10/27) を全文加筆修正しました。

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◇波動
◇狂乱を生きる - 境界性パーソナリティ障害・希死念慮 - (10/27)

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comment











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そうだったんですか・・・ 

そんな信じられないことがあったんですね。
能力を他人が引き出すのは、
褒めて、楽しいと思いこませることで、
自らは「楽しい」「好き」ということが大前提の気がします。
おっしゃる通り、上手・下手は関係ないですもんね。
楽しいから頑張ろうって思えるし、
できないことが駄目じゃなくて、
しようとしないことが駄目と思えるように。

生きていてくれて、よかった。
涙が出ます。
もっともっと伝えていってください。
ありがとう。

2008/10/30 07:48 | まほ [ 編集 ]


こんばんは 

小さい頃そんなことがあったんだ・・
私は、美鳥ちゃんの声ってすごいキレイだと思った。透き通るような歌声だな、声の綺麗な人だなと思ってる。歌も聴き惚れてた。
子供の頃に言われ続けてきたことって、
今でもトラウマにならない?
私は、今でもトラウマになって引きずってる。
でも、美鳥ちゃんの記事を読んでいたら、
コンプレックスになってたことって
実は、自分の素敵な個性になっているのかなと
思わされました。
逆手にとって、このまんじゅう顔をチャームポイントにしちゃおう♪そうしよう!

2008/10/30 21:40 | あおぞら [ 編集 ]


>>まほさん 

まほさん こんばんは。
いつも読んでくださって、ありがとうございます。また先日は本当にお世話になりました。

「そんな信じられないこと」という表現に、違和感を感じた自分に、今違和感を感じています。
私にとって家庭はそれが普通の家庭だと思っていました。よく聞く話ですが、どんな親であれこの世に親はたった2人。それが私の親像、そしてイコール世の中の基準だと信じて長く疑いませんでした。疑うことを知りませんでした。

今ふと思い出したのですが、小学校1年のとき私は担任にいじめられていました。何のとりえもなく、死にたい毎日でした。
この記事で書いた先生に担当していただき、うまれてはじめて「心」というものの存在を教えて頂きました。私は、この年に「文章を書く」という楽しさを味わいました。この先生に担当して頂いてから、毎年の作文コンクールで入選し続けました。それだけが唯一、私の学校での取り得、楽しみだったことを今思い出します。

全ては、褒めてくださったお陰でした。
長い長い小学校生活のほんの一幕、ある日の終わりの会が、私にひとつの楽しみを教えてくれ、それが二十歳過ぎ、言葉を失った私に自分を表現する方法を残してくれました。

この女性の先生は、震災のとき神戸の学校で校長を務めてらっしゃったようです。ネットでそのときの勇気ある信念ある行動を拝見し、誇らしい気持ちになりました。私にとっての恩師です。

こちらこそ読んでくださって、ありがとうございます。
苦しみの中での希望の尊さを実感します。
人の中で傷ついた痛みは、人の中でしか癒せない。私もこの先生のようでありたいと思います。

2008/11/12 19:14 | 美鳥 [ 編集 ]


>>あおぞらさん 

あおちん こんばんは。
メールありがとう。電話したくなった。でもやっぱり私は人に弱音を吐くのが苦手で、自分の弱さを出すまいと、出さなければまだ頑張れるような気がします。今度、電話します。

そういえば、あおちんと泊まった横浜のホテルで、ラビのバンドが近いから、てずっと練習して同じ歌ばっかり歌ってたんだよね。あのときは、お騒がせしました。

褒めてくれて、ありがとう。まだまだまだまだ全然と思うのだけど、歌うことが好きだ、と前は言えなかったけれど、今は下手だろうが何だろうが言えるようになったよ。

子どもの頃に言われ続けると、刷り込みのように頭から離れなくなるね。
私の場合は「キチガイの血が流れている」「お前に友達はできない」「音痴」「すぐ泣く」「怠けもの」「片付けない」とかかな。

引きずるよね。トラウマになるよね。
あと私はひどい天パだったから、それもいまだ引きずってる。ストレートにしてても、それでも引きずるんだよね。不思議だ。

逆手にとってやろう!て私も、いつも思う。見た目ですぐ判断する人を前にするなら見た目を偽ってやろうと思うし、礼儀にうるさいなら礼儀作法を身に着けてやろう、音痴というなら歌ってやろう、滅茶苦茶なところもあるけれど、コンプレックスで俯いて自分なんて何の価値もないと思っていたときの方が100倍惨めで死にたかった。そして俯いてるしか能がない私に相応の扱い方をされた。
今は、させてやるもんか、と思う。

あおちんが買ったごんたくんのキーホルダー。私大好きだよ。羨ましいとすら思った(笑)
人の心も知性も目と表情にあらわれるし、それが顔の相を作るんだと思う。あおちんの穏やかな喋り方、案外毒舌なところ、きっぱりはっきり悪を両断するところ、私はどれも大好きです。
そんなときにキランと光る目も好き。素直に何でも出せる表情が好き。
つくりやかたちじゃなく、心が大事だといったら、ああ何か道徳のうるさい教師みたいでいやだな私、て今思った(笑)

2008/11/12 19:25 | 美鳥 [ 編集 ]


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美鳥(みとり)

Author:美鳥(みとり)
被虐待サバイバー。解離性同一性障害、うつ病、対人恐怖症ほか色々闘病中。境界性パーソナリティ障害寛解しました。毎日の光と影を綴ります。生育歴・来歴・病歴・活動はこちらをご覧下さい⇒<はじめに Profile>

講演活動・ユーストリーム放送しています。
講演のご依頼ご相談は、当ブログメールフォームからお願い致します。

診断名の有無に関わらず、生き辛さを抱える方々と温かい繋がりを目指しています。ご感想ご意見など、お気軽にどうぞ。お待ちしています。

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