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2008/10/01 (Wed) 魔法をもつひと  - 境界性パーソナリティ障害 -

20081001.jpg

ありがとうと伝えたい人がいて、今日この記事を書いている。
その人は、この記事を読むことはない。
彼には、ありがとうとメールで伝えたけれど、彼の存在を書き留めたくて書いている。
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◇天涯孤独の指先


9月の私は、男友達Hの生活パターンに振り回された。
気がつけば私の生活は、彼からの朝のメールを貰うまでは始められなくなっていた。
四六時中メールを待ち続けることだけで頭が一杯で、何も手につかなかった。
それだけ、私にとって彼が魅力的な男性だからだった。
人間性に最も魅かれる。自分を大きく見せようともせず、いつでも自然体で自律心をもって生活し、楽しむことを忘れず、他人の苦しみに対し慎重で芯の通った思いやりを貫いている。
欠点もたくさん知っている。それでも、魅かれる。

彼の一挙手一投足に、私の感情は面白いほど揺さぶられ、完全に主導権を握られた。私は、不安になりフラッシュバックを頻繁に起こし、境界例の症状を抑えられず、彼に暴力的な言葉をぶつけたり、泣いたり、試したり、それは最悪な状態を行ったり来たりした。


私は、彼の連絡を待つばかりの自分の状況を歯がゆく思い、しかしやはり彼からの連絡を待つことだけに終始した。
彼からメールが来たり話したりすると、自分が生き生きとしてくるのが分かった。彼と話す以外の楽しみは、全て色褪せてしまった。興味が持てなくなった。

9月は、それだけで過ごしたと言っても過言ではない。完全に私の想定外だった。
時間を浪費している感覚が否めなかった。私がやりたいことは、たくさんあったはずなのに、何だったのかすら考えるのが面倒だった。
苦痛でたまらない時間だから、眠ることにした。

けれど眠りから覚めてみれば、数時間しか経ってない。その都度、落胆した。彼からの連絡のみが、私の生活になったいた。
彼に依存しきってしまった私は、もはや私ではなかった。
無関係なはずの彼の仕事や、彼の趣味や外出が、私の生活パターンを全て縛り付けていく。

けれど、彼は何ら変わりなく、我を失っているのは私だけなのだった。
彼が私の時間を奪ったのではなく、私自身が彼に自分の生活を明け渡したのだ。明け渡す必要などないのに、私は私であるべきなのに、私がいなくなってしまった。
何ひとつ手につかず、常にHのことを考えている私は、生ける屍だった。


Hと話す時間は楽しかったが、ふとした単語でフラッシュバックを起こす頻度が増し、対人恐怖や人間不信に襲われて、Hに全てをぶつけた。極力抑えても抑えても、体を乗っ取られたかのように私はHを罵ったり試したり媚びたり、そしてまた罵った。

症状が出ても、すぐに理性を取り戻した。私の意地だ。
謝る度に、Hは何もなかったかのように笑って回復を喜んでくれるだけだった。
私が理性を取り戻せたのは、私の意地を汲んでくれ、私の苦しみを理解してくれ、支えようとしてくれる彼のお陰が大きかった。私一人の意地だけでは抑えられないくらい、見捨てられ不安やフラッシュバックで引き起こされる錯乱は酷い。


昨夜、Hと久しぶりに電話でゆっくり話した。
色んなことを話した。彼に話せないことは一つもないと言っても過言ではない。何でも抵抗なく話せる。
思うままに話し、Hも変わらず誠実で、心の機微に敏感で、優しさと甘えを履き違えることはなかった。彼は、何が愛情で、何が依存で、そして何が私を活かし、何が私を腐敗させるかをよく知っていた。
そして、そこから私を引っ張り上げる方法も知っていた。
私のために無理をすることはない。彼は、いつでも彼らしくあるだけだ。


昨夜のことは、忘れないうちに、このブログに設置してあるツイッターに書きとめた。
Hとの関係がどうなるのか分からなかったから、ブログにきちんと書いたことがなかった。
順番立てて書かなければならない。
境界性パーソナリティ障害から回復しようと足掻いていた私に、本当の意味で精神的に手助けしてくれる人が現れた。
こんな人がいるとは考えたこともなかった。
彼は、ボーダーの私に振り回されず、症状の向こう側の私の人間性のみを見てくれる。見事なまでに、彼の目は見通している。私の本来の人格と、人格に負わされた障害が、彼の目には確実に別物として認識されている。

私は、得がたい親友と出会った。
これが、恋愛に発展しようと、発展しまいと、どうでもいいと私も彼も考えている。
私たちは、どんな形でも長く付き合っていけると信じる。

今まで見たこともない強さと優しさと不思議な信念を持っている。
私がどうなろうとも、彼の信念は揺らぐことはない。だから私は、彼を信頼できる。
彼は、彼自身を裏切らない。そういう人は、信頼できる。
境界性パーソナリティ障害者が、信頼できる人間は数少ない。でもだからこそ、目が肥える。

Hとどれだけの時間を共有してきただろう。
その間、Hの生活は私と会う前と何ら変わらず充実していたが、私の生活はHに好意を持てば持つほど堕落していった。甘い堕落に流されていく自分自身は、見るに耐えなかった。
だから私の体は、過眠症を引き起こし、意識を現実から遠ざけていた。

昨夜、色んなことを話し合って、彼の信念を知り、私は自分の意識を反転することができた。昨日まで屍で、何もできずベッドで眠ることで自分から逃げていた私は、昨夜日付が変わった頃、生まれ変わった。

数ヶ月先延ばしにしていた福祉団体への寄付をして、靴と服を買い、ずっと食べたかった月見バーガーを食べた。美味しかった。切らしていたポン酢を買えたし、何枚も写真を撮った。楽しかった。買い物をして、空っぽの冷蔵庫に食べ物を詰めた。壊れたまま換える気力もなかった携帯のイヤホンも買ってきて付け替えた。


私にとっては、一ヶ月殆どできなかったこと。
Hにとっては、できて当たり前のこと。
なのに、Hは私の今日一日の出来事を、ものすごく喜んでくれた。

昨日までの自分が嘘のようだ。
Hからのメールは、全く気にならなかった。
けれど、Hへの好意は全く変わっていない。Hとの距離感も変わらない。
以前よりも信頼が増しただけだ。不思議な安定感。
大切なものに気づかせてくれた。
私は、私でちゃんと生きている。

ありがとう H。


関連記事(時系列順)
◇依存恐怖症らしい
◇廃墟の檻のパブロフの犬
◇クッションか毛布みたいな
◇さめざめしてる君に歌う
◇天涯孤独の指先
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美鳥さんが彼に囚われていく過程の心理がとてもよくわかりました。
それはそのまま私のことに重なります。

彼との今後がどうであれ、今美鳥さんが感じてる友情がこれからも美鳥さんを支え続けてくれると思います。

記録しておくことはとても大切ですね。
どんどん変化していくボーダーだからこそ、一瞬一瞬が愛おしい・・・。

2008/10/02 20:07 | sereins [ 編集 ]


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2008/10/02 21:14 | [ 編集 ]


>>sereinsさん 

sereinsさん おはようございます。
コメント、いつもありがとうございます。

>美鳥さんが彼に囚われていく過程の心理がとてもよくわかりました。

と、具体的に第三者である方からご指摘いただくと「はうあっ!まさに囚われているよね!?」と思いました(笑)この過程は、まだ先や途中経過があって、その交流は精神的交流が深すぎて、メモはしてますが今だ文章化はしてません。

この記事の時点までは、私は彼と対等ではありませんでした。
この後私は彼と喧嘩しました。朝の4時まで話し合ったり、それはボーダーの症状とは別に、人間同士として話し合いました。彼は、ボーダーである私の攻撃性と、本当の私の怒りとを区別できるようなのです。
今も、とても良い友達です。痛みを知っている人です。もたれあいでなく、支え合い。それを実感できる良い関係を築けています。
ボーダーの私が、こうして安定した関係を築けるのは、相手の度量や理解力、関心がとても大きいと思いました。私一人では、やはりボーダーに負けてしまう。一人で生きていくことはできても、私本来の人格は永久に障害を越えられないのではないか、そんなことも最近感じています。少し、考え方が前と変わってきています。

>記録しておくことはとても大切ですね。
どんどん変化していくボーダーだからこそ、一瞬一瞬が愛おしい・・・。

本当にそうですね。
症状が過酷なときほど記録にまでエネルギーがまわらないのですが、それでも記録したものが多々あります。この病気がどういった仕組みを持ち、どんな心理状態でどう行動化されるのか、見捨てられ不安とはどんなものなのか、少しでもお伝えしたいという思いから記録したものです。
この数日は、そんな過去の記録も記事にしてアップしようと思っています。

同じ病と闘う者として、今後とも励ましあい寛解を目指していきましょう。
コメント、ありがとうございました。

2008/10/09 09:56 | 美鳥 [ 編集 ]


>>鍵コメ@mさん 

鍵コメさん、おはようございます。
丁寧なお便り、ありがとうございました。ストレート過ぎるきらいがある私ですので、どうか伝わりますようにと書きましたが、受け取って下さって、ありがとうございました。
ご事情お察しします。記事を全て拝見しています。私が通った道を見ているようです。一番苦しい局面、けれど一番肝心な局面に立たれ、ご自身の確立に断腸の思いで臨まれる時期なのだろうかと拝見しています。
またゆっくり遊びに行きます。
本当にご丁寧にお返事くださいまして、ありがとうございました。
これを機に交流させて頂けましたら幸いです。

2008/10/09 10:54 | 美鳥 [ 編集 ]


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美鳥(みとり)

Author:美鳥(みとり)
被虐待サバイバー。解離性同一性障害、うつ病、対人恐怖症ほか色々闘病中。境界性パーソナリティ障害寛解しました。毎日の光と影を綴ります。生育歴・来歴・病歴・活動はこちらをご覧下さい⇒<はじめに Profile>

講演活動・ユーストリーム放送しています。
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診断名の有無に関わらず、生き辛さを抱える方々と温かい繋がりを目指しています。ご感想ご意見など、お気軽にどうぞ。お待ちしています。

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