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2007/11/26 (Mon) 疑問符

2007.11.25_diary.jpg


朝起きると、日差しが柔らかくて、まるで春のよう。
英会話の帰りにカフェへ行って、
一人でのんびり長居しようと決めた。

大好きなバッグに、詰め込んだ。

熟読しているデザイン雑誌。
一眼レフと撮影テキスト。現像済みの写真BOX。
ERIC CARLEのノート。
ペンと万年筆。手帳。リップクリーム。眼鏡。
大好きなSamantha Thavasaの長財布。
ヘアクリップ。写真集。
まだ何も貼っていないフォトブック。

たくさん入れてもコンパクトに見せてくれる、ヴィトンが大好き。


英会話の授業は、
いつにも増して外国人講師のセクハラが激しい。
寒くても美鳥があっためてくれる、とか、
料理作りに来てくれる?とか、
美鳥が遊びに来てくれたら寂しくないとか、
挙句、淀川をカヌーで遡って会いに行くよとか、
複数の生徒を前に、その他呆れた発言を連発。
帰りに呼び止められて、また誘いの言葉。
阿呆らしいので、全部適当に流した。


不愉快な目にあった、と思いながら一人でドアを出たら、
先に帰ったと思っていたNさんとIさんが待っていてくれた。
何か言われたんじゃないの?と心配してくれた。
嬉しい。
女三人、話しながら坂を上がって、
お茶に誘ってくれたから、3人でカフェに行った。


Iさんが、自分の娘のことを話し始めた。
自律神経失調症を患い、30歳を過ぎて引きこもるようになり、
随分悩んだ、という話だった。
現在無職らしく、それでも外に出るようになったから良い、と言った。
しばらく、そんな話が続いた。

自律神経失調症や鬱やリストカットの話を、
二人がするのを聞いていた。
鬱は死にたくなる病気だから、
家庭内暴力は鬱じゃないだろうとか、
二人は、殆ど神経症のことを知らなかった。


私は、自然な流れのように思えて、
私は、ずっと精神科に通院しています、と言った。
カウンセリングにも通ってるんです、と話した。
二人とも、物凄く驚いた。
多分、私が、病人らしく暗い顔もしていなければ、
俯いてもいないし、神経質にも見えない、
英会話では明るいキャラクターで通っているからだ。

私は、自分の症状を話した。
でも、例えば離人感の話になると、感覚が違って、うまく説明できない。
母と共通の知人である彼女たちは、勿論、母のことも聞いてきた。
どう説明していいのか良く分からなくて、事実だけ伝えてみる。
弟のことも、話してみた。
二人とも、私より25歳ほど年上で、人生経験も豊富だから、
私を物珍しい目で見たり、接し方を変えたりはしなかった。
ありがたい。
Nさんが、唐突に、冗談めかして
「あんた、死んだらあかんで」と言ったので
なんだか可笑しくて、Iさんと笑った。
Iさんは、どこか少しいたわるような表情で私の目を覗き込んで、
「話せるってことは、もう大丈夫ってことよね」
と言ったから、私は笑って頷いた。



店に入って1時間ほどして気付いた。
そういえば、Nさんとは、気が合うし
今まで何度も話しているが、
Iさんとは、向かい合ってお茶をするのは初めてだ。

気付いた頃には、既に私の手は冷え切っていて、
吐き気と不安でカップを持つ手が震えていた。
自覚するのが、遅れた。
私は、震えを悟られないように、
コーヒーに口を付けることをやめた。

私は、女性と親しくするのが苦手で、
ついでに食卓恐怖だった。
人と向かい合って食事やお茶をすると、
相手に余程気を許していなければ、恐怖が襲ってくる。
会話の内容によっては、パニックで卒倒する。


慌てて、会話の記憶を遡った。

無意識に話していたが、
私は、とんでもないことを話してしまった。
話し過ぎた。
距離を縮め過ぎた。
どうしよう。
急に、目の前の二人が怖い。
この人たちは、信用できる?
本当はどう思ってる?
次に会ったとき、私をどんな目で見る?
Nさんって、本当はどんな人?
Iさんのことを、そういえば私はよく知らない。
半年スクールで顔をあわせているからといって
私は、よく知らない。
しまった。
失敗した。

二人に、このことは決して母には言わないでくれ、
誰にも言わないでくれ、とお願いした。



家に帰り着くと、母が美味しそうな夕飯の用意をしていて、
父は上機嫌で庭からとってきた柿を剥き、
庭でとれたさつま芋を焼いていてくれた。
弟は、相変わらずPCに向かっている。
私も、とても上機嫌で、両親に三人でお茶をしたことを話した。
美鳥は本当、どんな年齢の人とでも、
気軽にすぐ仲良くなっちゃうのねぇ、と母が感心したように言った。
私は、決して彼らが嫌いじゃない。
好きだ。


バッグの中のものを片付けて、
夕食の席に付こうとして、急に立っていられなくなった。
吐き気と、不気味な冷や汗、いつもの背中の痛み、
呼吸困難に襲われた。
家族に、笑って接する表面の私とは裏腹に、
心の内は、罪悪感で荒れ狂っていたらしい。
パニックだ、と気付いたときには、もう遅い。
のみこまれていた。



今日、彼女たちに私は、私の話だけをするべきだった。
弟と母の名誉を傷つけた。
弟と母を侮辱した。
この家族を、傷つけた。

両親を見て、心の中で謝った。
弟を見て、心の中で謝った。
母は、あんなに私と弟の病気を、
世間から隠したがっているのに。
弟自身、この家にはいないかのように、
気配を殺して生活をしているのに。



彼女たちに具体的なことは何も話をしなかったし、
<虐待>なんて言葉も使ってはいないけれど、
他人の前で家族に対する批判めいた言葉を口にし、
私は、自分だけ被害者面をした。
自分だけ良い子の顔をした。

許せない。
私は、なんて汚い奴なんだ。
なんて卑怯者。



パニック発作に襲われて、
何を考えられるわけでもないけれど、ただただ、
<私は失敗した><私は家族を侮辱した>
心が、真っ黒に塗り潰されて、
立っているのか倒れているのかも分からなくなった。
突発性難聴に襲われて、音は私の中で鈍くこだまして、
もう何が何だか分からない。


小説を書いているNさんに自分のことを話してみたくて、
こんな私でも現実に受け入れてくれる人がいるのか、
どんな反応をされるのか、知りたかった。
ずっと機会を待っていた。
私を知ろうとしてくれる人が私に訊ねるのなら、
私は、私の家庭の話をしなければ、うまく伝えられない。


でも、それは本当に必要なことだったのか。
私にとっては必要でも、私の望みは家族を傷つける。


人の名誉とは、何だろう。
事実を隠すことで保たれる名誉とは、何だろう。
私は、自分の病気を告白しても、私の名誉は傷つかない。
でも、だからといって、
私が母や弟の名誉を傷つけていい権利なんて、どこにもないのだ。



翌日起きると、
記憶にない言葉が、眠剤で崩れた文字で手帳に記されていた。
四行の空欄に、一行だけ書いてあった。
「話し過ぎた? 家族を侮辱してる? 」
疑問符がついていた。


今の私の胸の中にも、罪悪感と供に疑問符。
罪の意識に疑問を持つなんて、真に見下げた客観性だ。
いつでも隙あらば自己弁護しようと構えている、
卑しい偽善者のようだ。


自分の感情や行為に確信が持てない。
私はどうしても母のように自分を隠せない。
でも、黙っていた方が良かったんだろうか。
<沈黙は金>だろうか。
でも、これは本当にそうだろうか。
見栄を捨てなければ、先へ進めないんじゃないんだろうか。

でも、今日の私を知れば、家族は確実に傷つくだろう。



私は、誰の何を守ればいいのだろう。





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はじめまして 

ネットの海をさ迷っていて今日、たどり着きました。
新しい日記を数日分拝見したあと、最初から読みたいと思い、日記の初めから読ませて頂いています。
私も悩み、苦しみ、最近は少しだけ楽になって比較的“フツー”に生きられるようになりました。
この日の日記を拝見して、私は自分で気づかないようにしていた現実を知りました。
他人に秘密にしなければならない事がある。絶対に言ってはいけないと念を押される。このように振る舞いなさいと厳しく言われ、監視され、できて当然、できなければ責められ謝らせるという支配された家庭。
愛情はあったとはおもうけれど、私には恐怖の方が強かった。

そうか、だから苦しかったんだ。どこまで話してもよくて、どう振る舞えばいいのかいつもわからなかったから。親のルールは日々違うから予測がつかなったんだと何だか全てが腑に落ちました。
色々感じながら、日記を拝見させていただきます。ハジメマシテで長文、失礼しました。

2008/09/15 04:53 | Ma [ 編集 ]


>>Maさん 

Maさん こんにちは。
はじめまして。
まさにネットの大海。ブログはもはや数知れず、そんな中で偶然こちらに来てくださって、ありがとうございます。発信している者も同様、大海で出会える方とはご縁を感じずにはいられません。

まして、通りすがりの方も多分たくさんいらっしゃる中で、初めから読もうと思ってくださる方は、相性もあってとても貴重な出会いだと思うのです。コメント、本当にありがとうございます。

私もあらためて、去年のこの日記を読んでみました。私の罪悪感まるごと書いたのだな、と自分で感じました。この罪悪感は、いまだ消えることなく、こうして家族について「虐待を受けました」と書き続けていることに気持ちが完全に吹っ切れることはないのですが、読んで何かを感じてくださる方がお一人でもいらっしゃれば、と思い書いています。

>愛情はあったとはおもうけれど、私には恐怖の方が強かった。

愛情はあったんですよね。私もそんな気がします。私の家族に限っていえば、「愛情とは何か」という定義がまるで定まっておらず、感情をぶつけ合う、または家族の誰かは口ごたえを赦さない状態に封じてしまう、感情をぶつけたり、ぶつけられても敢えて黙秘したりが「愛情関係」となっていたように思います。家族の誰も、そのことに気づかずに数十年経ちましたが。
私の家族については、機能不全家族という新しいカテゴリーを設けて記事を整理して纏めようと思っています。その際は、ご興味があれば、是非御覧ください。

一方的に発信せざるを得ないのが記事の性質ですが、コメント欄では読者の方と是非お話したいといつも思っています。
書いてくださって、ありがとうございます。
また是非、何か感じられたことがおありでしたら、思いつくままに書いてくだされば光栄です。
来てくださって、ありがとうございます。
どうぞお気軽に、仲良くしてやってください。

2008/09/20 15:09 | 美鳥 [ 編集 ]


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プロフィール

美鳥(みとり)

Author:美鳥(みとり)
被虐待サバイバー。解離性同一性障害、うつ病、対人恐怖症ほか色々闘病中。境界性パーソナリティ障害寛解しました。毎日の光と影を綴ります。生育歴・来歴・病歴・活動はこちらをご覧下さい⇒<はじめに Profile>

講演活動・ユーストリーム放送しています。
講演のご依頼ご相談は、当ブログメールフォームからお願い致します。

診断名の有無に関わらず、生き辛さを抱える方々と温かい繋がりを目指しています。ご感想ご意見など、お気軽にどうぞ。お待ちしています。

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