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2008/09/23 (Tue) Bubbles - 境界性パーソナリティ障害 -

20080923.jpg

午前中は、まだましだった。気を張っていたところがあった。
いつも連絡してくる男友達Hが、今日と明日は連絡できないと知っていたから私は、そうそうそれでいい連絡なんていらない自分の時間が持てて、また楽な生活にひと時戻れると思っていた。

けれど、一度縮まった距離を急に融通きかせようとしても、私には無理らしい。
午後に一度Hにメールをした。しないと決めていたのに、気づいたら送っていた。

Hは、ボーダーの私に振り回されない数少ない男友達の一人で、私のメールに返信した後、「今友達といるから後でか明日か、話せるときに話そうね」とメールしてきた。
私は、そこでやっと我に返った。
メールを送ることも、まして下らないメールなんて最も普段の私が嫌うところなのに、私はおかしいと気づいた。ボーダーの症状に振り回されていることを自覚した。

Hは、巻き込まれることなく、やんわりと私の症状を回避した。そのことに少しほっとした。
構って欲しい、寂しいだけで頭が一杯になっていたが、本当の私はもっと優先したいものがあった。
理性の私は、彼が仕事で徹夜明けなことも知っているし、朝から野球観戦に行っていることも知り、ずっと通っていた行きつけのダーツバーが今夜閉店するから、閉店の翌朝まで店にいたいんだと有休を取ったことも知っている。明日までは、彼にとって大事な時間なのだ。


境界性パーソナリティ障害を持っている全ての人がどうなのか分からないが、私は言葉に固執する傾向があるらしい。
相手が発した、ちょっとした単語だとか語尾だとかに真意を探ろうとして過敏になる。
我に返ってからも、頭の中が混乱し続けた。とにかくメールだとか電話だとか一切手をつけないように決めた。こんなときは、一人になるべきだ。
けれど、今日のメールの中にあった「今友達といるから」という言葉に、私は動揺して理性を失いそうになった。同じく文中にあった「話したい」という言葉にも過剰に反応して、見捨てられたと同時に救われたような、心が両端から引きちぎられるような思いがした。
一緒にいるという友達と私を彼が天秤にかけて、私を見捨てたような気がしたのだった。
けれど「話したい」という言葉に、私への執着を見た気がしたのだった。

疑心暗鬼にとらわれた私の目の前で、メールの文は数限りなくパーツに分かれ、白だ、黒だ、白だ、黒だ、と際限なく交互に分類されていった。
結果的にはいつも恐怖心が先立つ仕組みになっている。
午後には、私はすっかり「見捨てられた」気分で一杯になっていた。
無気力で、何もできなかった。

Hにメールしたときは「漫才を見てるよ。面白いよ」と書いたから、Hは「楽しんでてよかった」と返してくれた。けれど、漫才なんて数十分で終わってしまい、私はテレビ番組にすら見捨てられた。
続いて流れるニュース番組は、どれも結局は真面目になんて取り上げてない気がして茶番だと思った。


死体みたいにベッドに転がっているだけで精一杯だった。
胸の中が渦巻いていた。孤独と不安と見捨てられる恐怖と、いっそ見捨ててもらったほうが楽だからいいやという奇妙な安堵、関係性の主導権を相手に渡してしまう自分の不甲斐なさだとか、数日前にボーダーでおかしくなった私が送ったメール「私の服従心を試そうとしてる」という言葉に、Hが「服従心っていう発想自体持ってないよ」と返してきたこと、色んなことが浮かんでは消えた。


そのうち、心中の渦の底を一瞬垣間見た。
何かしこりがある。
大切な友人のブログで、絵を見た。以来、何か違和感がずっと胸の中にしこりのように残っていて、私はとても重大なことを見落として暮らしているような気がしているのだった。
私は、こうして寝ていることしか出来ないんだろうか。
という単純な疑問が浮かんだ。


午前中に干しておいた洗濯物を取り込み、食器を洗った。文鳥たちの世話をして、簡単なものを食べた。かき氷を作って食べた。一眼レフに取り組むというより手遊びで学ぼうと、何枚か遊びで撮った。掃除機をかけて、拭き掃除をした。
ストレッチしながら、散漫なテレビ番組を眺めた。限りなく下らないようでもあり、それが生活だとも思えた。


呼吸が難しくなって、頭痛が本格的に酷くなり、またベッドに倒れこんだ。
テレビは、つけておくことにした。
いつでも捨てていいなんて言っているくらい、月に1,2度つけたらいいほうなくらい、普段テレビは見ないけれど、今日はつけておこうと思った。
発達障害を持った夫婦について、番組をやっていた。スタジオに来ている当事者の人たちの話を聞いていると、何だかボーダーと似ているところもあるんだなぁと思った。それでも結婚する人たちが大勢いるんだなと思ったが、自分と関わりがないことのようにも感じた。
私は、一人でいることはできないが、二人でいることもできない。どちらも苦しい。

今日は祝日で晴天で、風は涼しく、秋めいていて、カーテンを穏やかに揺らした。風に乗って、河原でやっている少年野球の歓声が聞えてきた。普段は、ここまでは聞えてこない。
子供達の声や、遊ばせてやる父親らしき声、立ち話をしている主婦たちの声、休日返上で働いているらしい工場の音、自転車のベル、色んな音が聞えてきた。
私はベッドに倒れこんだまま、流れ込んでくるあらゆる音が風に運ばれて部屋に入ってきては、空中で霧散するのをずっと眺めていた。
音は、しゃぼん玉のようにわれては消えた。


こうして横たわっていることで失われていくものについて考えた。
私は、病気だ。普段は驚くほど忘れてしまうが、私は病気なのだろう。
だってこんなに苦しいし、こんなに死にたいし、こんなに無気力で空っぽだ。
私は、人間なのだろうか。こうやって生きていて何になるんだろう。
そんな漠然とした愚かな疑問まで湧いてくる。


冷蔵庫に麦茶を取りに行って、立ったままマグカップで飲みながら食器カゴを見た。
洗って置いておいた赤いポットが目に留まった。
一人だから十分事足りる小さい赤いポットは、沈んだ色を部屋に置きたくない私にとってお気に入りのポットだ。
一眼レフを持ってきて、思うままに数枚撮った。
出来なんてどうでもいいんだと思った。私の部屋に、私の好きな色彩がある。
赤いポットは、一杯分のコーヒーや紅茶を淹れるのに最適だ。オレンジ色の鍋は、昨日食欲がまるでなかったから、お粥を作った。オレンジ色も好きだ。
銀色のフォークとスプーンは、潔く冴え冴えと光を反射して、悪くないと思った。


胸の中にしこりがあって、これでいいのかと問いかけてくる。
こんなはずじゃない、何か重要なことを忘れていると訴える。段々に強くなる。
大切にしていた何かを、今の私は怠っている気がする。何ヶ月も、もしかしたら今年ずっと怠っているかもしれない。二番目にするべきことを一番にして、逃げている気がする。
楽しむことを忘れている。生活の些細なことや、言葉のひとつひとつや、作品のひとつひとつ。頑張ることにばかり専念しようとして、楽しんでいない。
だから、「私」という存在から体臭がしない。
好きなポットや鍋やスプーンやフォーク、好きな柔軟剤の香りや掃除、どれも好きだったはずなのに、今の私の目を通すと随分と色褪せている。

カメラで、懐かしい色を再現してみた。
苦しくても悲しくてもみっともなくても、たとえば、この一見くだらない彩りや物を、心から愛して生活していたい。そんなふうに暮らしていたいと思っている。
簡単に消えて、簡単に見えなくなり、簡単に聞えなくなるけれど。



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この間は励ましてくださってありがとうございました。

とても素敵な写真ですね。
美鳥さんの写す写真・・・やわらかいやさしい風が吹いているように思います。

私も少しづつですが、この病気を理解しているところです。美鳥さんの言ってる言葉ひとつひとつが、とても娘の言ってることと重なります。
夢にもとても悩まされているようです。
苦しみを少しでもやわらげられたらいいのに・・・。

こちらによく訪れていますが、近すぎたらおっしゃてください。
ではおやすみなさい。

2008/09/24 22:58 | Johnny M [ 編集 ]


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2008/09/25 21:50 | [ 編集 ]


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2008/09/25 23:50 | [ 編集 ]


>>Johnny M さん 

Johnny Mさん こんばんは。コメント、ありがとうございます!

メール下さって、ありがとうございました。お返事が滞っていて、申し訳ありません。過眠症と過食症とボーダーとで、えらい時間を食ってまして、何とかどうにか上向きに調整してきているところです。必ずお返事させて頂きます。

こちらこそ思うところ多々あり、何より協力的なご家族とお話できることが本当に幸せだと感じています。違う点もあるかもしれませんが、この病気は「期待と絶望」という点は必ず共通しています。少しでも何かでお役に立てればと思っています。

写真を褒めてくださって、ありがとうございます。一眼レフはずっと持っていたのに、最近になってようやく学び始めたところです。ここから進歩していきたいと思っていますので、なまぬるい目で見守ってくだされば嬉しいです。

ボーダーについては、あらためてメールで書いてお送りします。

夢は、とても重要です。心の反映であり、逆に現実の反映でもあります。私は夢分析を受けていたのですが、随分と症状の寛解に役立ってくれました。殺したり殺されたり何かから逃げたり何かを憎んだり、血みどろで死の匂いが充満した夢を見ていました。今思えば私は、夢の中で殺し殺されるかわりに、現実で殺したり殺されたりせずに済みました。心の成長だけ遂げることができました。
悪夢にはいまだ魘されますが、徐々に夢の内容が変わってきました。嘘のような経験も過去ありましたので、そんなことも書けると良いなと思っています。

心理的距離にご配慮くださって、ありがとうございます。こちらに訪れてくださること、感謝です。
一人でも多くの方に、特に当事者とサポートしようと考えてらっしゃる方、知りたいと思ってらっしゃる方に読んで頂きたいと、多少体調が悪くてもブログだけは続けています。
来てくださること、光栄です。

また是非お気軽にコメントください。
Johnny Mさんも、お心安らかに。時間と気力と体力が要ります。お体、お心、どうぞお大事になさってください。
コメント、ありがとうございました。

2008/09/27 22:26 | 美鳥 [ 編集 ]


>>鍵コメBさん 

ご丁寧にありがとうございました!
うちの子は最年長で12月に10歳になります。
アドバイスを参考にヒーターを買い直して、今日4時間かけてカバーも作りました。
我ながら、頑張った!
今、藁巣をベッドに使ってるんですが、オーダーメイドのベッドが!?是非拝見したいです!

冬に入りますね。
小桜ちゃんもうちの文鳥ズも、健康で過ごせますように。

本当にご丁寧にありがとうございました。

2008/09/28 19:28 | 美鳥 [ 編集 ]


>>鍵コメMさん 

Mさん こちらでは初めまして。早速のお越しありがとうございました。今日ブログの方へおうかがいして、コメント残させて頂きました。
ブロ友のところではげましてみたのがきっかけで、知らない間に自分の鉢が出来ていて、毎朝の巡回が知らない間に習慣に(笑)
一言ながらコメントで交流できることが楽しいです。
思わぬ出会いあり、来てくださって、本当にありがとうございます!

サイドブログで、詩と写真オンリーを公開しています。これを機に、こちらとあちらと、うちの不肖トマト共々、今後ともよろしくお願いいたします。ふかぶか。

2008/09/28 19:32 | 美鳥 [ 編集 ]


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プロフィール

美鳥(みとり)

Author:美鳥(みとり)
被虐待サバイバー。解離性同一性障害、うつ病、対人恐怖症ほか色々闘病中。境界性パーソナリティ障害寛解しました。毎日の光と影を綴ります。生育歴・来歴・病歴・活動はこちらをご覧下さい⇒<はじめに Profile>

講演活動・ユーストリーム放送しています。
講演のご依頼ご相談は、当ブログメールフォームからお願い致します。

診断名の有無に関わらず、生き辛さを抱える方々と温かい繋がりを目指しています。ご感想ご意見など、お気軽にどうぞ。お待ちしています。

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