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2008/08/12 (Tue) 万能の子羊なんていない ? 機能不全家族からの回復 ?

実家で何日目が過ぎようとしているのか、経済的に逼迫している現在、少しでも栄養をつけようという魂胆で滞在している。精神的には1人が断然楽なのだけど。
以前は、こんなに長く滞在していると、せっかく立て直した真っ当な対人距離の感覚や、新しく自身で獲得した価値観が揺らぎ、酷い体調悪化を招いていた。今全くそんなことがないかと問えば、安眠できなかったり、保身のための警戒心を解けなかったり、懸念はないことはない。

ここ実家は何かに似ているな、と今日思った。
アマゾンの奥地に似ている。
危険だが珍しいものを見ることが出来る。
機能不全家族や、虐待側の論理、幼稚な人間性、暴力で人を支配する方法、共依存など、ネタの宝庫だ。

とある方からメールを頂いた。
機能不全家族に生れ落ち、自我を封じられ、価値観から思考回路まで徹底して洗脳されたところから、自我を再獲得する戦いは、命がけだとあらためて思った。
実際お会いできない誰かに、微力でも戦いの手助けとなれるなら、この家も役に立つと皮肉に思った。

1人でも多くの誰かへのエールになるのなら。
私の経験を交えて、機能不全家族について書いてみたい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私の家族は、機能不全家族だ。その見本のような家だ。心理学の本を読んでいると、寸分違わぬモデルルームを見ている感覚に陥る。


機能不全家族の私の家には、愛情がない。
個人の思惑だけが、てんでばらばらに散在している。
一つの屋根と、ぐるりと囲む壁一枚が《家族》を形成している。

《家族》が、違和感を感じることはない。家族同士の気持ちのすれ違いや、価値観の相違などに考えを巡らせることもない。機能不全家族の「不全」とは、「不幸」に直結するものではない。機能が停滞しているからこそ、そこには独特の安定感と安心が生まれる。息苦しさを感じたとしても、全員、そんな閉塞感など存在しないように振舞う。無言のうちに、自身の不平、不満、家族との相違に目をつぶり耳を塞ぎ家族ごっこを演じること、それだけを共通の目的としているのが、機能不全家族だ。
「機能不全」は、機能破綻の寸前を表す。機能不全家族の特徴の一つは、不全状態が全員の無言の合意によって維持され続けていく点だ。

共有し守るべき理念が明確であればあるほど、個々の人間同士は強く結びつき依存し癒着し、そこに理想的安定が生まれる。《家族》という形は、それだけで高い洗脳性を持っている。
家族は、個々のためにあるのではなく、個々が《家族》のために存在するようになる。

家族の決定や感性に、家族の誰かが異を唱えることは許されない。
もしやるのなら、命がけと言って良い。その者の発言がどれだけの正当性を備えていようとも、問題にならない。《家族》という形を維持する以上に重要な事柄など存在しない。家庭内での苦しみや悲しみや怒りなども、同様に微々たる問題だ。重要なのは《家族》だ。

家族団結の足並みを乱す家族は、家族の一員とは認められない。認めたが最後、破綻寸前の形は一気に崩壊し、これまで必死で維持し続けてきた《家族》が、全て無に帰してしまうからだ。

強固に共有してきた目的だからこそ、機能不全家族は全員が《家族》の崩壊を何よりも恐れる。《家族》の崩壊は、世界の崩壊を意味する。全員、和を乱す感情や感覚を必要とあらば迷わず殺す。悪循環となり、自我を殺し捧げた《家族》は、ますます重要なものとなり、《家族》にすがりつき依存し、癒着し、自分を異形に歪めていく。
思考停止、辻褄合わせ、理想偏重思考など、機能不全家族に必要とされる能力は、子供らが成人する頃には、彼らに着実に受け継がれる。年が経てば経つほど、機能不全家族は自分たちが人間らしく自立して生きていないことに気づけなくなる。洗脳が完了するのは、時間の問題だ。


実家の家族、両親と15年引きこもったままの弟MKは、自分たちの家庭のどこがどう問題で自分たちの人生が暗闇に覆われているかに気づいていない。

私の家族各人の機能を簡単に表してみる。
父の役割は「気まぐれで横暴な独裁者」。
母の役割は「傍観者・正義」。
弟MKの役割は「頼りになる頭が良く知識豊富な長男」。
一番下の東京在住の弟MTの役割は「家族を和ませる可愛い末っ子」。

長女の私の役割はというと、感情的には簡単に表せなくなるが「自慢できる長女・愛情も憎しみも甘受する万能なるスケープゴート」だったのだと思う。

阪神大震災の急場などには、生活の全般の指揮を私が執った。葬儀で争いが起こったときも私が着地点を定め、両親が求めるままにシナリオを作り、台本までタイプして用意し、希望通りの決着を見た。それは私の才能ではない。こなせなければ私は家族の中で役割を失い死んでしまうのだ。だから、必死に身に着けた。死に物狂いで身に着けた保身は、能力ではない。ただの機能だ。


子供の頃から、そんな役割を担っていたが、同時に私は家族にとって物笑いの種であり、からかいや嘲笑の的であり、彼らの嗜虐心を煽り満足させることができる、うってつけの生贄だった。
三つ子の魂百までとは真実で、私は家の外に出ても、家庭内の役割を見事にトレースした。
頼りになり頭が良く心優しいが、虐めるにも愉しく、からかいやすく、生贄にしやすかった。そんな役割を演じなければ、私は安心できなかった。他人から求められる「私」は、いつもそうであるべきだと思っていたから、頼られるか、虐められるかしなければ不安でたまらなくなった。
私が今だ完全に脱し切れない依存心の正体だ。
私の境界性人格障害という病は、間違いなく家庭環境から来ていると思っている。



何度も何度も対話を試みたり、参考になる本を薦めたりしたことは、私も東京に住む弟MTも経験がある。しかし、父は家族のことなど一切関心がないし、母は読んでも「問題がない家なんてないんだから家が特別なわけじゃない」という一言で片付けてしまう。
我が家が特別であろうが一般的であろうが、頭を悩ませる問題が消えるわけではない。現に母は、定期的に悩みの底に沈む。けれど、結局「どこも同じよ」の一言で思考を停止した後、本の内容など元から読まなかったことにして、問題意識ごと消去してしまうのだ。

「問題意識の消去」は、機能不全家族の一員としては実に優秀な能力だ。
自身の理想と現実に齟齬を見出した場合、迷わず現実を理想に摺り寄せようとする。
この能力は、例外なく家族全員が備えている。だからこそ破綻寸前でも決して破綻しない、髪一筋も乱れぬ最悪な団結力を示す。




私と東京に住む弟MTは、かつて機能不全家族を成す歯車の一つだった。
自我の形成と葛藤の末、家庭の洗脳状態から逃れて今に至った。
特に私は、家庭の中でスケープゴートの役割を担っていたがために、ある時を境に自我が崩壊してしまった。生きていても、頼られるか虐められるかのどちらかだから、生きていたくなくなった。
機能不全家族の一員だった頃の私は、苦痛があって自我がなかった。だから、生きている実感や心の底から感じる喜びや楽しみがなくとも、安心だけはあった。明日、どう虐められるのだろうか、夕飯に毒を盛られるのではないだろうか、今夜殺されるのではないだろうか、色んな不安はあっても、それは全て自身の安定のために必要だったから、理不尽を感じたことはなかった。

私は馬鹿の一つ覚えで、どこへ行っても家庭内での役割を演じる以外知らなかった。友達とも恋人とも自分自身とも、苦痛と忍耐なくしては関係を築けなかった。それ以外の関係を知らなかったから、世界とは苦痛に満ちていて当然だと、疑いもしなかった。世界はいつも私を虐め、嘲笑い、利用し、気まぐれに遺棄する。自尊心は歓迎されない。主張すればキチガイ扱いされるだけ。
死んだほうがましだから、呪縛された肉体ごと命を絶つことにした。
偶然生き延びて、今日がある。


洗脳から逃れることは、一度自分を殺すことを指すのかもしれない。
恐ろしい行為だが、肉体さえ守りきることが出来れば上々だ。
その後、運が良ければ今度こ生まれることが出来る。




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なぜ 

こんなにもバラバラなのに家族を形成しているのか、常々不思議に思っていました。

> 家族は、個々のためにあるのではなく、個々が《家族》のために存在する

からなのですね。。。
何か、今更ながら、なるほど。。。とみょーに納得してしまいました。

比較すると、興味深いんでしょうか。。
私も自分の家族を紹介してみます。

父:宇宙人。そもそも人間と交信できるのか不明。無関心、無感動。無口。アイコンタクト皆無。今では知る術もない。
母:気まぐれで横暴な独裁者。いつか子ども達を完全支配できると夢に見ている。
妹:唯一まともな人間。家族と外部の境界線に立つ。家族の中にいた時は冷静な管理本部長として機能した。
自分:愚かで単純な羊。怒りの受皿として機能する為だけに洗脳された単なるスケープゴート。今は反逆者。

全部じゃないけど、やっぱり重なるところはありますね。

2008/08/13 00:21 | 依里 [ 編集 ]


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2008/08/13 00:35 | [ 編集 ]


>>依里さん 

エリィ こんばんは。
携帯にもメール貰ったのに返信できず、ごめんなさい。或る程度予測はしていたものの、東京から戻って以来ボーダーの症状が色々と出ては引っ込みで、コメント返信も、ままならぬ状態でした。
遅れまして、あいすまぬ。

機能不全家族が、なぜ家族の形を保っているのか、なぜ脱走者が出ないのかは、機能した家庭で育った人から見ると全く理解不能に見えるようです。
同じく、虐待についても同じで、あからさまに暴力を振るわれ、中には性的虐待を受け続けていても「家族に愛されている」と信じたがる子供や「うちは何の問題もない」と信じている親などが存在します。
人は、見たいものしか見えない生き物のようです。理想のためならば、間違ったやり方であっても現実の方をいとも簡単に捻じ曲げてしまう。犠牲者も厭わない。
私の家は、近所や友人から「仲が良い理想の家族」と称されています。歪めた現実が社会の中で認められてしまったとき、機能不全家族は完成します。

興味深い家族紹介、ありがとう。
なるほど読んでみると、重なる部分が多々あります。大まかに言えば、「無関心な父親」「過干渉な母親」「家族のスケープゴート」は機能不全家族の特徴を全て押さえています。
妹さんの立ち位置が、とても興味深かったです。私にとっての東京の弟MTが、エリィの妹さんにあたるのかもしれません。うまいバランス感覚でもって、閉鎖された家族に、さりげなく風穴を開けて呼吸しているような人です。そんな弟も、家庭での悪影響はそれなりに受けたそうで、子供の頃から学校などで苦労したと言っています。

家族というのは、社会に出る前の最小単位の人間関係です。ここで躓くと実は後々まで大きな過失を負ってしまう。大人になって対人関係に支障を感じたとき、どうしても家族関係という原点に戻らなければ、自分は見つからないと感じています。

興味深いコメント、ありがとう。他の誰かの家族構成を役割とともに聞かせてもらったのは、初めてです。

2008/08/22 00:43 | 美鳥 [ 編集 ]


>>鍵コメSちゃん 

Sちゃん こんばんは。コメントの方で、大変ご無沙汰してます。
貰ったコメントで体調を悪くしたり、そういったことはないので、安心して下さい。無理をしてコメント返信したり、思ってもいないことを無理して書いたりも一切しないと決めています。
ブログとリアルを、私は分けていません。嘘をついても、無理をしても、いずれ会いたいと思える人と会ったときに、必ず自分が後悔するから。
コメントを頂いたとき、自分が書いた気持ちになって自分と置き換えて考えてみました。私は相手が自分の鏡だと常々感じるのですが、今回もそう思いました。顔が見えないから、どんな状況でどんな気持ちでこの言葉に辿り着いたのだろうと考えました。詳細は分からないけれど、エネルギーは強烈だと思いました。だから、私は跳ね返さず映し返さず、しばらくじっと待とうと思いました。
その無言の時間、Sちゃんがどんな気持ちになるだろうかと心配だったけれど、今の私とあなたの距離感に一番素直に則した最善の方法なんじゃないかと勝手に思いました。
空白の時間、不安に感じさせたとしたら、ごめんね。

ボーダー同士の関係について、色んなことを考えるきっかけになりました。
この後もいくつかコメントを貰って、その都度考えました。拍手コメで書こうと何度も行ったんだけど、文字数が分からんwというのと、要領を得た書き方が出来ずに、すごすご帰ってきたこと数回。
こうしてその時のコメントに答えていく形で、私がどんなふうに感じたか伝えられたら一番伝わりやすいのでは、という結論に今到達しました(←ほんとに書きながら今w)。
ということで、お返事という形であと何度か長文でコメント書くやもしれませんが、お付き合いくだされば幸いです。

生きているからお互いに交流できます。私も、Sちゃんも、とりあえず今生きてて良かった。

2008/08/22 01:00 | 美鳥 [ 編集 ]


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プロフィール

美鳥(みとり)

Author:美鳥(みとり)
被虐待サバイバー。解離性同一性障害、うつ病、対人恐怖症ほか色々闘病中。境界性パーソナリティ障害寛解しました。毎日の光と影を綴ります。生育歴・来歴・病歴・活動はこちらをご覧下さい⇒<はじめに Profile>

講演活動・ユーストリーム放送しています。
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診断名の有無に関わらず、生き辛さを抱える方々と温かい繋がりを目指しています。ご感想ご意見など、お気軽にどうぞ。お待ちしています。

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