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2007/11/15 (Thu) 不道徳なリアル

カウンセリング 2007.11.15


痛い 痛い 痛い。
真実は、痛い。
無意識に蓋をしていた真実ほど、痛い。


カウンセリングルームに向かう電車内で、体調が急変した。
パニック発作の予兆だ。
カウンセリングは、どちらかといえば苦痛な治療だ。
よくあることといえば、よくあることなので、気にしないように努める。
気にすれば気にする程、発作は確実になるからだ。
今日は、それでも治まってくれなかった。
駅に着く頃には、周囲の音が聞こえなくなってきていた。
息が苦しい。吐き気がする。
心臓が、異常な速さで鼓動を打つ。
歩く度に気を失いそうになった。
エレベーターに乗り込んで、壁にもたれながら、
気絶するんじゃないかと恐怖が襲い、
同時に、いっそ気絶したら楽なのに、と思った。


面談室に入るなり、K先生に水をもらって頓服を飲んだ。
面談室でここまで体調が悪化するのは、
意識が遠のき自分が後ろに5センチずれる例の症状以外、
はじめてかもしれない。
頓服が効くまでは、一言も口をきく気力がなかった。
でも、とにかく手当たり次第に思いつく限り喋った。
こんなときには、黙ってはいけない。
何か私の中に、自覚しない恐怖や不安がある筈なのだ。
蓋をしては、いけない。
とにかく思い付く限り心の中をぶちまけない限り、
発作は治まらない。


精神科医から言われた<スキゾイド>に関しては、
先生も首をかしげていた。
私と似たような見解なのか、
境界例的だという話には、否定はしなかった。


ブログの話をした。
公開した途端、私は自分が書いたものを見て、
「なんてふしだらなものを書いたんだ」
と感じ、
「これは、私であって、でも本当の私ではない」
と感じたことを、話した。
先生とRの話をするうちに、
私は自分の感覚を「ふしだら」とは感じていないことが分かった。
私は、恋愛にも肉体関係にも不倫にもSMにも、
本当はさほど興味はないのだ。
私は、一対一で、性的なものも含めて、
ただオープンに誰かと語りたいのだ。
「Rに対して、あなたは取材しているんじゃないの?」
と先生が言ったので、思わず私は叫んでしまった。
<取材>という言葉は、
あまりにも私のRに対する気持ちを的確に掴んでいたから。


私は、Rを知りたい。
Rがなぜ今生きていて、
なぜ家庭を大事に思いながら浮気をしたいのか、
どんな浮気をしてきたのか、罪悪感はないのか、
Rの尋常でない嗜好はいつ、どんな過程で芽生えたものなのか、
Rを<取材>したいのだった。
でも、Rはそんなこと、思いもしないだろう。
私が、今はまだRに深入りしない、と決めているのは、
Rと私の気持ちに齟齬があるからなのだった。
「不道徳な気持ち」をRが持っているから、
私は取材不可能だと知っている。
だから、プレイを求めるRを受け入れる気になれない。


「じゃあ、私が<取材>したいとどうしても思うのならば、
相手が既婚者であっても、<取材>していいんでしょうか」
私は、訊ねた。
我ながら、何て倫理観の欠如した、馬鹿みたいな質問だろう、とも思う。
何度か、私と<既婚者と関係を持つ>事の如何を交わし、
先生は、最終的に焦れたように言った。
「だって、あなたは既婚者は嫌だって、本当は思ってるじゃないの。
罪悪感を感じないって言っても、感じない筈がないじゃないの。」
頭を、打ちのめされた。
そうだ。私ほど、既婚者はもう嫌だと思っている人間は、いない筈だった。
結婚している友達に、あなたが私の夫と付き合ってるとしたら許せない、
なんて言われて、思わず土下座したくなるようなこと、
もう二度としたくないのだ。

手を繋ぐ度に、硬く冷たい指輪の感触で密かに深く深く傷ついたり、
贈った誕生日プレゼントを「ありがとう」と言って置き去りにされたり、
殴られたり、レイプまがいの馬鹿げたセックスに付き合わされたり、
リストカットしたり、それでも置いていかれたり、
和歌山の山中で寝てる間に殺されかけたり、
実のない「愛してる」というセリフを悲痛に聞いたり、
何もかも全部、
もうなにひとつ、いらない。
もう、うんざりだ。


それでも、人の業の深さに魅かれる。
私の業が深いからだろうか、
それとも、元々の感受性なのだろうか。
人間の、底の知れない深淵を覗いてみたいと熱望している。
カウンセラーという仕事も、業が深い仕事ですよね、とK先生に言った。
先生は、頷いていた。
知るからには、引き受ける覚悟が必要なのだと言っていた。
知る度に自己の世界観が激しくぶれ続けていては、
続けていけないのだと。
「あなたは、まともな結婚、真っ当な生き方は自分には無理で、
自分を理解してくれる人は、マイノリティな人しかいないのではないか、
真っ当な人には、受け入れてもらえないと思っているんじゃないのか」
と言われた。
何度も言われていることだ。
そんな馬鹿な。
いまだに私は、そんな劣等感を抱えているんだろうか。



カウンセリングが終わる頃には、発作は治まっていた。
頓服が効いたんじゃない。
一番隠しておきたかった真実で、見事にざっくり斬られて、
あまりの痛さで目が醒めたのだ。
人生最大の難問を突きつけられた気分だった。
間違えて間違えて、間違い続ける自分がとことん嫌になった。
盲目で嘘つきの自分は、大嫌い。
誰か馬鹿な私を殺してくれ。
消えろ、消えろ、消えてしまえ、と自分を罵りながら、
人波に揉まれて歩いた。
駅へと急ぐ通勤帰りの人の波を眺めて、
確かに私は、彼らに受け入れてもらえないだろうと思う。
自分が結婚できると思ったことはないし、
したとしても幸福にはならないだろうと思っている。
自分も含め、人の業を見過ぎたツケなんだろうか。


真実は、痛いけど、
聞き飽きた嘘より、百倍いい。
いい加減、私も成長しなきゃいけない。
先生、ありがとう。




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美鳥(みとり)

Author:美鳥(みとり)
被虐待サバイバー。解離性同一性障害、うつ病、対人恐怖症ほか色々闘病中。境界性パーソナリティ障害寛解しました。毎日の光と影を綴ります。生育歴・来歴・病歴・活動はこちらをご覧下さい⇒<はじめに Profile>

講演活動・ユーストリーム放送しています。
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診断名の有無に関わらず、生き辛さを抱える方々と温かい繋がりを目指しています。ご感想ご意見など、お気軽にどうぞ。お待ちしています。

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