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2008/04/09 (Wed) 蜥蜴のしっぽ切り - 自我同一性障害 -

20080409dia.jpg

3冊 しめて300円。

<病院 2008.4.5>


薬だけ取りに行くつもりで、病院へ行ったら、
土曜日なのに案外空いていた。
予約なしでも1時間待ちで診察が受けられるというから、待つことにした。

外出を申し出て、1時間、病院の近所を歩いた。
満開の桜や花が美しくて、何枚も写真を撮った。

ノートを買った。
何かを始めようというとき、私は必ず無意識に、新品のノートを買う。
一目惚れして、一色だけでは可愛くないので、三色買った。
縦長の形が気に入った。
銀色の背表紙も。
厚手のビニールのカバーも。
今月買う予定の、北欧の木のデスクに似合いそう。


病院で、境界性人格障害の症状について訊く。
私の病状は、複雑で難しい、と医師。
確かに、最早私も、一体どこからどこまでが
オリジナルの自分なのか、どこにどの症状が表れているのか、
体調不良一つ取っても、どの病名があてはまるのか、
10近い病名がついている私には、判別できない。

夜、眠れているかと訊かれたので、多分、と答えた。
このところ、規則正しく寝起きが出来ているし、
中途覚醒もなければ、酷い過眠というものも、ない。
ような、気がする。

解離が度々あることは、報告した。
覚えのない買い物が、少し増えていること。


医師にとって、最初から現時点まで、焦点をあてているのは、
この解離についてだ。

人格と名前について、また説明を受けた。
私なりの考えも伝えた。
つまり、病名などどうでもよくて、事実だけを見ようという姿勢。
別人の存在を自分の中に感じること、見えること、
時間が飛ぶこと、覚えのない買い物があること、
感情が自分から離れていくこと、
相変わらず、本名もどの名前も一切自分のものだと思えないこと。

何病でも構わない。
この症状さえ、消えてくれるならば。
症状が残ってもいい。
せめて、オリジナルな人生を送ることができれば。


主治医のN先生は、例え話が的確で、いつもはっとする。
私の中の存在「あや」や、名前がない私、記憶のない幼少期、
これら全てを、一言で表現した。

「蜥蜴のしっぽ切り」

身の危険を感じたとき、敵から攻撃を受けたとき、
せめて本体だけでも生き残ろうと、
自分の体の一部を敢えて切り離す苦肉の策。
いわば、防御本能が生み出した知恵。

「本体だけでも、生き残ろうとしているんです。
本体だけでも、守ろうとしたんですよ」

N先生は、言った。


自分が遠ざかっていくのを感じた。
会計を済ませて、薬を受け取り、外に出て、
帰途についている途中で、段々と実感が湧いてきた。

「あや」は、蜥蜴のしっぽらしい。

色んな意味を含んでいると思った。
私が生きていくために、自分から名前を切り離したり、
「あや」を憎んだり、記憶を手離したり、
それらは、全て、生きるため。
敵の囮として、使うため。

逆説的に考えれば、それらは全て、元々は私の所有物。
私という名を名乗るものたち。


疎ましい「あや」という存在が、何か気の毒に思えた。
敵に晒され、一番に傷つき殺されたのは、あやなのかもしれない。

「私のために、あやは傷ついてくれた」

と、考えられるのなら、どんなにか、いいだろう。

けれど、何かどうしても、私とあやは別人であって、
一緒にされたくないという思いが強い。
私があやに対して何かしてやる義理も恩も関係性もなければ、
あやが私のために何かする義理も恩も理由もない。

完全別種の人間が、私の中に同居している感覚。
あやの考えが、読めない。
そもそも、思考などあるのかも分からず、
でも、たまにあやが見ている夢が、私の中に流れ込んでくる。

もっともっと、それ以前に、
「私のために」の、「私」が誰なのか分からない。
ここで、こうしてキーボードを打っている「私」のことを指すのだろう。
でも、感情がない。
痛覚がない。
悲しみの感覚がない。


通院日から今日まで、ずっと考えるともなく考えていたこと。
蜥蜴のしっぽに、痛覚は宿るのだろうか。
己の運命を嘆く心は、宿るのだろうか。
生き残るための知恵が生み出したシステムなら、
しっぽに痛覚は、必要ないだろう。
だとしたら、感情を持たない今の私は、恐らくしっぽだ。
あやだけじゃない。
私も、しっぽに過ぎないのかもしれない。
生々しい愛情や悲しみを持っているであろう、あやの方が、
それなら本体なのかもしれない。


明日、私は私でいられるのだろうか。
私は、私のために、私を切り離す。
せめて、死刑執行が、一瞬で終わればいいのにと願っている。
死の世界と、夢の世界は、似ている。
どちらも、痛みや悲しみや喜びを、この体から奪い去る。
感情がないまま、明日を迎えるのか。
体の底には、傷つけたい欲求が疼いている。
私も、誰も、何もかも。
壊れてしまえ、と疼いている。
だから、私は、私を閉じる。
何ひとつ疵付けてはならない、壊してはならない、と
私が、私を制御する。
一匹の蜥蜴に、しっぽが数十本。
それぞれに蠕動し、疼き、
絡み合い、蠢き、長いしっぽをしならせ地を叩き続ける。
鱗を鈍く光らせ、一斉にのたうって、
切り離せ! 切り離せ!
と、口々に喚き散らす。

難聴が、やって来た。
キーボードの音は、ほとんど聴こえないのに、
なのに蜥蜴のしっぽの絶叫は続く。


○コメントくださっている皆様へ○
コメントは、ひとつずつ丁寧に拝見させて頂いています。
いつも、応援くださって、ありがとうございます。
現在、精神状態、体調共に、大変不安定です。
お返事が、遅れます。
申し訳ありません。


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2008/04/09 21:38 | [ 編集 ]


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2008/04/10 14:21 | [ 編集 ]


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2008/04/10 17:43 | [ 編集 ]


>>鍵コメAさんへ 

コメントありがとう!
負担になんて、とんでもない。
ものすごい励みになってます。
本当に、ありがとう。

知ろうとしてくれて、ありがとう。
心から、ありがとう。
病気は、この世に数え切れないほどあるけれど、ただ一つ共通していて、一番厄介なのは「苦しい」ということだと思います。
苦しくなければ、どんなふうになっても構わないのにね。

コメントいらない、て書いてくれたけど、嬉しかったから返信。
ありがとうね。
伝わるといいな。
Aちゃん、ありがとう。

2008/04/12 22:54 | 美鳥 [ 編集 ]


>>鍵コメSさんへ 

Sさん こんばんは。
昨日は、電話ありがとう。
励ましあえること、感覚を共有できる人がいること、以前の私から考えたら、想像もつきませんでした。
何て勇気を与えてもらえる存在なのだろうと、実感しています。
コメントの返信はいらない、て書いてくださったけれど、嬉しかったから返信を書いてます。


病気についての解釈など、いつでも是非お聞きしたいと思っています。コメントくださって、ありがとう。同じ症状を持っている方も、違う症状を持っている方も、どんなふうに感じるのかを知ることが、病気への理解を広げるまず第一歩だと思っています。

>私もシッポには痛覚は無いと思います。
そして美鳥さんはシッポではないと思います。
今はまだ、たくさんシッポが生えていて本体とシッポが切り離される前はシッポにも感覚がある。
シッポは切り離されるときに感覚がなくなる。
そして美鳥さんは、これまで辛く苦しい経験をたくさんしてきたから、シッポは1本ではない。
何本かは分からないけど、まだたくさんシッポが付いている。
だから本体である美鳥さんの感覚がシッポに少しずつ持って行かれて、まるで本体も感覚がないように感じてしまう。
でも、1本、また1本とシッポを切り離していくたびに美鳥さんの感覚は戻ってくるのでは…

↑以上を、鍵コメで頂いたけれど、多分、これは私の主治医が言っていることを奇遇にも上手く例えてくれたものだと感じて、一部纏めて転載させて頂きました。
蜥蜴のしっぽ切り、という言葉を、医者はネガティブというよりも、ポジティブに捉えているようです。一本一本切り離していく度に自分の感覚が戻ってくるのでは、と書いてくれたとおりに、医者は考えているようです。
私は、まだうまくそれをイメージできず、自分というパーソナリティと障害が溶け合った状態で、本体としっぽの区別がつきません。
また、何やらとにかく不気味な現象ということもあって、もう少し時間がかかるんだろうかとも思います。
症状として、徐々に受け入れつつあるので、回復への過程の一つなのだと捉えられたら、と考えています。考えているものの、なかなかうまくいってませんが・・・。

ほんまに。
なんで新しいこと始めるときってノート買いたくなるのかなぁ(笑)仲間ですね~まっさら、ていうのがいいのかな。このノートは、早くも書きなぐられて、めっちゃくちゃです。

会えるの楽しみにしてるね!
緩急自在に、一緒に励ましあって進んでいこうね。


2008/04/14 21:49 | 美鳥 [ 編集 ]


>>鍵コメhちゃん 

hちゃん こんにちは。
この日からスタートしたんだなぁ。もう四度目を越えました。若干、ボダりながらも、頑張って踏ん張ってます。
辛いのか何なのか。自分でよく分かりません。
解離もボーダーも表れてはいるけれど、今のところ直後に自覚して、コントロールできてます。
心配してくれて、応援してくれて、いつもありがとう。

>「オリジナルな自分」、考えさせられました。どこからが病気で、どこからが自分か、ほんとうにわからないよね。溶け合ってしまっていて。

そうだねぇ・・・・。人格障害者にとって、一番の課題といっていいのかもしれません。「オリジナルな自分。障害と自分が溶け合ってしまっているから、本当にどこからどこまでが自分なのか分からない。更には、そこに他者が入ってくると、他者との間に生まれた通常のものなのか、症状なのか、オリジナルな自分なのか、複雑になって、ますます混乱。

コメント、ありがとう!
お返事書かせていただきました。
頑張ります。

2008/04/14 21:53 | 美鳥 [ 編集 ]


 

美鳥、こんばんは。

私も最近ノートを買いました。資格試験の勉強を始めるために
安ーいキャンパスノートですが、地味な私の部屋にはしっくり
くる感じです。

2008/04/14 22:14 | うさ枕 [ 編集 ]


>>うさ枕さんへ 

うさまっく こんにちは。

春だからなのか、うさまっくもノートを買ったのね。
資格試験って・・・例のあれ!?
どうしよっかなー私は一度挑戦して挫折した資格だけど、
一緒にチャレンジしてみようか・・・など迷いながら、
でも今の状態じゃ、勉強まで手がまわらぬ情けなさ・・・・。

>安ーいキャンパスノートですが、地味な私の部屋にはしっくり
くる感じです。

私はついついカラフルなものに走ってしまい、どうにかこうにか部屋のバランスは保ってます。
自分にしっくりくるノート。
出会えそうで出会えないよね。
また色彩のお話しようね~!
色好き仲間がいて、嬉しいっす!

2008/04/15 16:51 | 美鳥 [ 編集 ]


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プロフィール

美鳥(みとり)

Author:美鳥(みとり)
被虐待サバイバー。解離性同一性障害、うつ病、対人恐怖症ほか色々闘病中。境界性パーソナリティ障害寛解しました。毎日の光と影を綴ります。生育歴・来歴・病歴・活動はこちらをご覧下さい⇒<はじめに Profile>

講演活動・ユーストリーム放送しています。
講演のご依頼ご相談は、当ブログメールフォームからお願い致します。

診断名の有無に関わらず、生き辛さを抱える方々と温かい繋がりを目指しています。ご感想ご意見など、お気軽にどうぞ。お待ちしています。

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