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2008/03/20 (Thu) 名前を返して

2日前、3月17日の日記。

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不安だった。
◇靴は はかない の日のことを、あまり考えないようにしてきた。


でも、やっぱり考えずにはいられない。
あの日のこと。

それまでスムーズに会話できていたのに、
相手が「あやという名前だけど」と、口にした瞬間だ。
一瞬で、ドーンと解離した。
自分では、急に具合が悪くなったと後で思ったけれど、
よくよく思い返せば、私は、
目を開けているのに、半分は自分の内側を見ていて、
相手と会話が不可能になった。
自分の声も聞こえてはいるが、自分が話している感覚がなく、
店内の様子が急に分からなくなり、明らかな異常を感じた。
解離だった。
あんな突発的な解離は、そうはない。

自分が数十センチ後ろにずれて、
あやが今、数メートル後ろにいたのだ、と
相手に話したのは覚えている。
1メートルから数十センチの距離になったときも、説明しただろうか。
水をすすめられたのを覚えている。
なぜ水なんかすすめるんだろう?と思ったのを、覚えているから。


その彼に、思い切ってメールした。
その瞬間の私の様子を知っている、唯一の目撃者だ。

私が、自分の中に「あや」の姿を見ているとき、
極度に解離していたとき、私の様子はどうでしたか、と訊いてみた。
解離性同一性障害の人と会ったことがあると聞いていたから、
私が、そうであるのか、そうでないのか、確かめたかった。

でも、医者やカウンセラーとは話したくなかった。
決定的な何かを突きつけられる気がして、避けた。
怖かった。
でも、誰かに判断してもらいたい、
できるならば否定してもらいたいと思った。


昨日、返事を頂いた。

彼が言うには、急に私の具合が悪くなったと感じたらしい。
かなり苦しそうだった、
私の脳内に別人格がいて、
その人格の表出を必死に抑えこんでいるように見えた、と書いてあった。
また会えば、詳しく聞いてみたいと思った。


「人格」「必死に」「抑えこむ」
どれも、違和感のある言葉だと思った。
私は、人格を必死で抑えこんだ経験など、これまで一度もない。
誰が、自分の中に別人格がいて、
取って代わられるなんてことを恐れた経験があるだろう。


「自我」とは、不思議だな、と思った。
「自我同一性障害」と診断を受けている私。
つまり、「自分が自分であるという感覚がない」病気のことだ。
なのに、
あやが近づいて来る、と思った瞬間、無意識に私が思ったことは、
「渡さない」「彼女は敵だ」
「他人にはなりたくない、自分は自分でいたい」
だった。

本能的に、そう思った。
自分を渡すものかと思った。
その危機感が、私を苦しそうに見せたのか。
一瞬で解離するあの感覚は、自覚すると苦痛でたまらない。
だからだろうか。
あの感覚は、何なのだろう。


このブログでも、少し前までは、あやについて書くとき、
私は毎回ぽろぽろと泣いて泣いて、涙が止まらなかったはずだ。
彼女が可哀想だと泣いたはずだ。
なのに、今抱いている、あやへのこの怒りは何だ。
同時に、「私」という感覚が、平常時は前よりも強くなった。
今、自分の中を探してみても、昨日も探してみたが、
あやは見当たらなかった。


答えのない迷路にはまりこむ。
このまま、私はどこへ行ってしまうんだろう。
出口が分からず、なぜこんなところに迷い込んだのかすら分からない。
今までだって、自分が分からないことが
鬱よりも強迫性障害よりも、どんな症状よりも辛かった。
苦しかった。
悲しかった。
自分自身に失望し続けてきた。


私には、名前がない。
一度も、自分のものだと感じられる名前がない。
でも、皮肉なことに、あやには名前がある。
私にはないものを、彼女は持っている。
私は持っていないから、
まるで持っている彼女に奪われたようだ。

返せ。返せ。
私の名前を返せ。

でも、一度も名前を持たない私は、
返してもらうべき名前が、やっぱり分からない。


今以上に自分が分からなくなるかもしれないなんて、想像もしなかった。
それだけは避けなければならない。
当日、私の話した方も、メールで病院へ行くよう勧めてくれた。
自分と向き合わなければならない。
恐怖も不安も捻じ伏せて、
とにかく病院とカンセリングに行こうと思う。
泣いている場合じゃない。
私は、泣かない。
私は、ちゃんと生きる。




関連記事(自分のための備忘録/時系列順)

<セックスと。甘いいちごと。どろんこハリー。>
<あやを殺した男>
<赤ちゃんパズル>
<彼女の棺>
<彼女の死亡届け>
<眠っていたい>
<あやの誕生日>
<しましまのバビちゃん>
<記憶の単位>
<靴は はかない>


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2008/03/20 09:04 | [ 編集 ]


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美鳥(みとり)

Author:美鳥(みとり)
被虐待サバイバー。解離性同一性障害、うつ病、対人恐怖症ほか色々闘病中。境界性パーソナリティ障害寛解しました。毎日の光と影を綴ります。生育歴・来歴・病歴・活動はこちらをご覧下さい⇒<はじめに Profile>

講演活動・ユーストリーム放送しています。
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診断名の有無に関わらず、生き辛さを抱える方々と温かい繋がりを目指しています。ご感想ご意見など、お気軽にどうぞ。お待ちしています。

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