--/--/-- (--) スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |


2008/03/17 (Mon) ma chérie

来月、知人が長期、世界一周旅行に出るので見送りに行く。
私には縁のなかった世界に、また一つ触れる。

旅立つのは、「寂しい」が口癖の、
前向きなのか後ろ向きなのか分からない裕福な老女。
世界一、二の贅沢な旅行が趣味の、恋愛現役の老女と会う。
恋愛といっても、ポンと何千万円もお小遣いをくれるパトロンか、
お金で繋がる御用達男性ばかりと聞く。
本人が、公言して憚らない。


美しい老女と聞く。
毎年、船での世界一周旅行を趣味にしている。
一回、数千万円の豪華客船での世界一周。
彼女は、船上で常に恋をする。
それが、生き甲斐なのだという。
プール、テニスコート、ジム、カジノ、マッサージルーム、サウナ、
いつでも習える、あらゆる習い事のスクール、パソコンルーム、
他、何もかもがついた豪華客船で、いつも誰かと恋をする。


彼女は、震災以来、統合失調症。
鏡を相手によく話していた。
最近、克服したと聞く。

生い立ちは、裕福だったが震災で全て失い、
それ以前から、資金を元手に自身の意志で一人で生き抜き、
衣服から食べ物一つに至るまで、自分の哲学を持って生きてきた。

どこか亡くなった祖母と重なる。
生涯、女であることを忘れない女性。
正しいも間違っているも全て含んで毅然と生を謳歌する女性。
そして、折れやすい弱さも併せ持つ女性。

満たされることのない、不安定で壊れやすく、
どこかしなやかで、狂気を孕み、
しかし揺るぎない女の美の哲学と溢れる教養で凛と立つ女性。

危うい人だと思う。
色々と話を聞くにつけ、
強烈な見捨てられ不安に苛まれ生きてきたようだ。
遺産を巡り、実母と弟を相手に裁判を起こし、血縁はいない。
お金と愛をトレードし続けている。
しかし、美しさと哲学は揺らがないという。


不思議な人がいるものだ。
生き方とは、千差万別。
想像もしなかった生き方を、
私の人生の倍以上も生きてきた女性がいる。
女とは、柔らかい肢体と心を持つ。
あらゆる矛盾や苦しみや美しさ醜さにも適応し続け、
自在に肢体をくぼませ、肌を潤し、皺を刻み、凛と輝く。
どこか神秘的で厭らしく、美しく、グロテスクだ。
そんな女性が、私は嫌いではない。
年を経て、じっくりと磨かれた美意識は、
グロテスクでも美しさに変わりはない。

美しいものは、愛しい。
心躍る。


私のことを人づてに聞き、
気に入ってくださり、素敵な靴を何足も頂いた。
彼女の出発に相応しい着物で、見送りに行く予定だ。
人づてに聞き続けてきた彼女と、初めて対面する。

自分には誰も見送りの者がいないのだと、
彼女がそれとなく言っていた。
見送りに来た者は、船内で一流の食事ができるだとか、
一生に一度足を踏み入れる者は殆どない船だから、
見送りに来る者は、またとない経験ができるのだとか、
彼女なりの精一杯の誘いを受けた。

見送ってほしいと言えないのだと、私は聞いた。
見栄っ張りな彼女には、見送る者がいなければ、
楽しい出発ではないだろう。


サプライズで見送りに行くことにした。
彼女の新しい恋との出会いを祈って、
世界旅行の門出に相応しいエキセントリックで上質な着物に、
少し上等な春らしい帯を締める。
形のないプレゼントを、
汲み取って受け取ってもらえるなら嬉しい。




どんな着物ならば、喜んでもらえるだろうか。
手持ちの着物を思い浮かべる。
そうしたら、窓の外から聞こえてくる工事の音が一斉に高鳴って、
掻き乱され遠く遠くへ連れ去られる。
まるで真夏の蝉の声に囲まれるよう。

今週の予定を立て終わり、また過眠に攫われた。
不安か焦りか高揚か。
真夏のじっとりと汗ばむ息苦しい空気に包まれる。

このまま眠ってしまえたなら、
息苦しく気だるくも、安らいで午睡を貪れるのか。
それとも、鳴り止まぬ蝉の声に、悪夢の浅瀬を彷徨うのか。





心の病気、
虐待・暴力の残酷さへの理解を広げたく、ランキングに参加しています。
応援よろしくお願いします。
         
a_04.gif にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ

関連記事

日々日記 | comment(10) |


<<再出発 | TOP | 清流金魚>>

comment











管理人のみ閲覧OK


凛々… 

凜として咲く
梅の花が好きです…
スクッとして
しゃんと経ち伸びる
あの枝の姿も
凛々しくて好きですね

桜より梅の方を
陽光よりも月光を
華奢な手よりも
武骨な手を好むんです

そして青より藍
diamondよりpearl
何だかそんなものが好きです
不思議と好きなんですね
本当に好みなんです
とても心にしっくりときて
(笑)

携帯の待受は
綺麗な可愛い八重梅なんです
携帯を開く度
画面いっぱいに咲く
ひと花を見てると
幸せな気持ちになります
八重梅…
本当に凜として
しかもどこか可憐で
とっても…愛らしいんです

ma chrie…愛しいひと
この画像を送ってくれた
その人が
わたしにとっては
きっとそうなんですねぇ…

…ほんとぅ…
そうなんです
(微笑)



美鳥さんも
素敵なお見送りが
出来るといいですね…

当日はお着物を
召されるみたいだから
晴れだけど暑くなくて
卯月の爽やかな日和だと
良いですが…

どうか
素敵なご縁が深まるようにと
僭越ながらも…
心よりお祈り致しております

それではまた

2008/03/18 06:34 | 作楽(sakura) [ 編集 ]


 

凄いな~、世界一周か~。
わたしには無縁の世界だろ~な~(遠い目。

けど、その老女は影があって、なんというか、、、

サプライズで見送り!きっと喜んでくれるでしょうね~。
って、素直には喜んでくれないかな?(笑)

2008/03/18 08:17 | yorke [ 編集 ]


 

世界一周旅行に旅立つその方を、エキセントリックな柄の着物で見送る美鳥さん・・

ロマーンティック、、、

物語のようです。うんうん、喜んでくださるでしょうね!

2008/03/18 11:53 | hima [ 編集 ]


こんにちは 

美鳥さん、こんにちは(^^)

いいですね、世界一周かあ…夢のようなんでしょうね。
形のないプレゼントに包まれた美鳥さんのお見送り、
きっと彼女にも伝わりますよ。

素晴らしい門出でありますよう。

2008/03/18 14:16 | U [ 編集 ]


>>作楽(sakura)さんへ 

こんばんは。
コメント、ありがとうございます。
八重梅・・・・あれ、やっぱり八重梅ですか!(笑)
そうでしたか・・・・自分の花の知識のなさには愕然といたします。
梅がお好きだと聞いていたから、良かった~!桜やら梅やら桃やら、区別がつかないです・・・。

>当日はお着物を
召されるみたいだから
晴れだけど暑くなくて
卯月の爽やかな日和だと
良いですが…

四月は「卯月」と呼ぶんでしたね。
すっかり忘れていました。
着物は「召す」という言葉が、ぴったりですね。
久しぶりなので、練習していないと着れなさそうです。着付けの目にも肥えてらっしゃるお相手な気がするので、今から緊張しています。
でも、こんなときこそ着なければ、まさに箪笥の肥やし。去年以来取り出していないから、着物の状態が怖いです・・・・虫食い変色、怖い~!
当日、晴れてくれたら、もうそれでいいです。
雨だと・・・・・絹は一発でやられてしまいますよね・・・。
晴れてくれ~!


>どうか
素敵なご縁が深まるようにと
僭越ながらも…
心よりお祈り致しております

ありがとうございます。
良いご縁になるといいな、と私も願っています。
一期一会、大切にしたいです。

素敵な言葉をたくさん、ありがとうございました。
喜んで頂けてよかった。

2008/03/18 21:22 | 美鳥 [ 編集 ]


>>yorkeさんへ 

yorkeさん こんばんは。
例の卑猥画像(と、もっぱら噂の笑)以来、ペース鈍化されてるので、元気かな~と心の内でエールを送っております。
来てくださると、嬉しいな~!

>凄いな~、世界一周か~。
わたしには無縁の世界だろ~な~(遠い目。

凄いですよね。
一回の旅行代金で、私なら数年生活する自信ありますよ(笑)なんでも、この船のレストランは、毎回出てくる割り箸は、綺麗に豪奢に彫刻が施されているらしいです。でも割り箸なので、使い捨てらしいです。その割り箸一本代で私なら・・・・と、また考えてしまう私も、一生無縁の世界だと思います(遠い目。)

>けど、その老女は影があって、なんというか、、、

うん。なんというか・・・・だよね。
なんとも言えません。
なんというか・・・・言葉にならない(笑)
いまだ会ったことのない老女をあれこれと想像しています。


>サプライズで見送り!きっと喜んでくれるでしょうね~。
って、素直には喜んでくれないかな?(笑)

とにかく寂しがりやな方らしく、誘ってくれてるような、くれてないような微妙な感じらしいです。
ならば、とにかく行くか~!と思っています。
気が合うか合わないか、一発勝負です(笑)
喜んでくれるといいなぁと願っております。

コメントありがとうございます。
また是非遊びに来てくださいね~!




2008/03/18 21:30 | 美鳥 [ 編集 ]


>>himaちゃんへ 

himaちゃん こんばんは。
先日は、プロジェクトCに続き、動物園巡りまで、ありがとう!
アリクイの恐ろしさ、サイのヒップの意外な魅力、謎のイタチのノロイ(て何?)など、自然の不思議を体感させて頂きました。
私のプロフィール画像、いっそのことカピバラにしようかなぁ。

>世界一周旅行に旅立つその方を、エキセントリックな柄の着物で見送る美鳥さん・・
ロマーンティック、、、

ロマーンティックww
着物は、ちょっとコスプレチックでコスプレとか興味ないけど、着物は大好きです。何かと着たがる。でも、へばる。準備、着付け、手入れ、後片付け、どれも面倒。でも、着たがる。ロマーンティックが好きだから(笑)

>物語のようです。うんうん、喜んでくださるでしょうね!

私一人だと物語も何もないけれど、この方が持ってらっしゃる物語に惹きこまれてみたい。
船上は、リッチマンとリッチウーマンが溢れていて、船の従業員にも常に大盤振る舞い、数百万円のプレゼントなど日常茶飯事らしいです。
そのお金で私なら数年生活してみせるよ・・?といいそうになるのを、ぐっとこらえ、こんな世界も普通にあるんだな~と体験してみたくて、わくわくしてます。

2008/03/18 21:36 | 美鳥 [ 編集 ]


>>Uちゃんへ 

Uちゃん こんばんは。


>いいですね、世界一周かあ…夢のようなんでしょうね。

世界一周だよ・・・いいよねぇ。
世界中の名所や避暑地、美しい街を船で巡る旅です。
彼女は、毎年行ってるので、好きな街に寄ったときしか船を下りないらしいです。疲れるから、と言って。私なら、一生に一度あるかないかだから、倒れても這いずってでも、全部の街攻略するけどなぁ(笑)

>形のないプレゼントに包まれた美鳥さんのお見送り、きっと彼女にも伝わりますよ。

だといいなぁ。
粋なことがお好きな方みたいなので、伝わるかな、とドキドキ期待しています。
靴のお返しに何か・・・と考えたけれど、これくらいしか思いつかなかった(笑)

>素晴らしい門出でありますよう。

ありがとう。
私も、願っています。

2008/03/18 21:41 | 美鳥 [ 編集 ]


絵のようです 

と言っては失礼でしょうか。
世界一周旅行に出かける年配の女性と、それを見送る着物の美鳥さんの後姿。送る側と送られる側に次々と溢れる言葉があるのか、流れる空気だけがあるのか。。。考えたりします。どこまでも空との境目しかない海。その無限な海の上を滑る船と言う有機物。その中で繰り広げられる様々な人間模様。どんな感じなんでしょうか。。。

想像しても、実感することのできない世界です。世の中には分からないことが多すぎる。いつもそんな感じがします。人の内なる世界も、人が住むその世界も無数にあり、自分の知るものはほんの一握りでしかない。もっと知りたいのに、もっと実感したいのに、人間の一生はなぜ、こんなにも長く短いんでしょうか。。。

彼女が出かける世界。贅沢ではありますが、箱の中なのですね。。。その濃度の濃さに窒息する自分を想像してしまいます。ですが、彼女がその中で『生きている』瞬間を味わえると言うなら、それが彼女の幸せの求め方なんでしょう。ある意味羨ましい気がします。行ってらっしゃい、楽しんで。そう言いたいですね

2008/03/22 12:25 | 依里 [ 編集 ]


>>依里さんへ 

依里さん こんばんは。
コメントありがとうございます。

「絵のようです」と言って頂けるとは。
嬉しいことです。
物語のような話だなぁと思い、書いたのですが、うまく書けずに、読んでくださる方に伝わるのだろうかと不安でした。

>世界一周旅行に出かける年配の女性と、それを見送る着物の美鳥さんの後姿。送る側と送られる側に次々と溢れる言葉があるのか、流れる空気だけがあるのか。。。考えたりします。


依里さんに書いて頂きたかった(笑)
そうなんですよ。
そんなことが言いたかったのです。
汲み取ってくださって、ありがとうございます。

>どこまでも空との境目しかない海。その無限な海の上を滑る船と言う有機物。その中で繰り広げられる様々な人間模様。どんな感じなんでしょうか。。。

陸とは全く違う生活のようです。
何もかもが揃って、一分も退屈させまいと用意された料理と部屋と娯楽の数々。数ヶ月間の、船上での人間模様。どんな感じなんでしょうね。私も、お話を聞いても聞いても、ただただ私の知らない世界があるのだと感じるばかりです。

>想像しても、実感することのできない世界です。世の中には分からないことが多すぎる。いつもそんな感じがします。人の内なる世界も、人が住むその世界も無数にあり、自分の知るものはほんの一握りでしかない。もっと知りたいのに、もっと実感したいのに、人間の一生はなぜ、こんなにも長く短いんでしょうか。。。

本当ですね。
長くて短くて、一度きりなんですよね。
世界どころか、この日本でも、死ぬまで一度も足を踏み入れない県があるのあろうな、と思います。
陸だけでなく、海底、空、宇宙。どこまでも広げていけば、私が知る世界など、なんて小さいのだろうと感じます。

>彼女が出かける世界。贅沢ではありますが、箱の中なのですね。。。その濃度の濃さに窒息する自分を想像してしまいます。

そんなことが言いたかったです(笑)
そうなんです。
濃度が濃いですよね。箱の中。
何千万で買う、数ヶ月の海上の箱です。
それが生き甲斐なのだそうです。
飛行機に乗って海外に行くでもなく、船が大好きな彼女です。
何か、海、船でなくてはならない理由をもっているのだと思います。彼女は海の上に何を見て、毎年出かけるのだろうか、何を味わいに出かけるのだろうかと想像します。

>ですが、彼女がその中で『生きている』瞬間を味わえると言うなら、それが彼女の幸せの求め方なんでしょう。ある意味羨ましい気がします。行ってらっしゃい、楽しんで。そう言いたいですね

彼女自身が「生き甲斐」「幸せ」だと仰います。
そのとおり、生き甲斐であり幸せなのだと思います。世の中に色んな人がいて、この世界は想像以上に広いのだ、と実感するのは、こんな方の存在を知ったときです。
思いもつかない人生、思いもつかない幸せの求め方、私は味わったことのない幸福感。
依里さんが仰るように、ある意味羨ましく思います。

行ってらっしゃい。
心から、お見送りしたいと思っています。

素敵な文章でコメントくださって、ありがとうございました。

2008/03/23 03:18 | 美鳥 [ 編集 ]


| TOP |

プロフィール

美鳥(みとり)

Author:美鳥(みとり)
被虐待サバイバー。解離性同一性障害、うつ病、対人恐怖症ほか色々闘病中。境界性パーソナリティ障害寛解しました。毎日の光と影を綴ります。生育歴・来歴・病歴・活動はこちらをご覧下さい⇒<はじめに Profile>

講演活動・ユーストリーム放送しています。
講演のご依頼ご相談は、当ブログメールフォームからお願い致します。

診断名の有無に関わらず、生き辛さを抱える方々と温かい繋がりを目指しています。ご感想ご意見など、お気軽にどうぞ。お待ちしています。

最近の記事

最近のコメント

カテゴリー

月別アーカイブ

QRコード

QR

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード

メールフォーム 

お気軽にメールください。返信までお時間頂く場合があります。

名前:
メール:
件名:
本文:


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。