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2008/01/11 (Fri) キリンの首


この記事は、性的またはSM描写を、含みます。
嫌悪感を抱かれる方、未成年の方の閲覧は、
自己責任で、お願いします。
フラッシュバックにご注意ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


今突然、思い出した。

SMの経験がないと言っていた、初心者S。
一緒にちょっと暮らして、一緒にお風呂に入ったりしたけど、
私が嫌だと言ったら、キス以外、何もしなかった。

でも、私が口でしてあげると言ったら、喜んだ。
全然彼はいかなくて、私は自分と彼に失望した。
彼の性器が気管を塞いで、喉を押し上げるから、
というか、私がそうするから、
何度も吐きそうになって、生理的な涙が溢れた。
彼は、やめていいと言ったけど、あれこれ指示もした。
どうやら、私が吐きそうになるときに、彼はいきそうになるのだ。
そこで私がやめるから、いけないのだと言う。

彼はソファに寛いで座って足を開き、
ジーンズの前だけ開いて、私は彼の股間に顔を埋めて、
シャワーを浴びるといった彼を押し留めて、口で愛撫した。
「即尺」とかいって、男性は喜ぶからだ。
そんなのが、愛を感じるからだ。


セックスだけが自分の売物だと思っていたから、
彼がいかないことで、私は一切の自信を失って、青ざめた。
恐怖で、泣きそうになった。


ストイックな関係を築けていたが、
やっぱり私は娼婦になるしか道はない。
強烈に彼のことが好きになるまで待ちたかったが、
見捨てられ不安で、私は半日も待てなくなった。
とにかく、彼を射精させなければ、私が存在する価値はない。
射精させるんだ。
でも、どうやって?
彼は、SMだとかアナルだとか、やりたがったが、
私は、冗談じゃないと思った。
初心者の彼は、
そんな行為がどれくらい慎重を要するか分かっていなかった。
そんな彼とは、する気にはなれなかった。
とにかく、射精させて、私の価値を知ってもらわなければ、
危険な行為をするときに、私のことを気遣ってもらえない。


彼とセックスしたが、私は既に性具と化していて、
頭の中は、彼をどう射精させるかで、いっぱいだった。
まるで、初体験の男の子みたいなプレッシャーで苛まれ、
とにかく焦っていた。
そして、どこかで、セックスする前に、
いくら私が掛け合ったからと言って、
違う穴に突っ込まれる私という女は、
一体何なんだろう、と考えて、頭の中が、ふわふわした。
でも、彼の愛撫に感じることは、一瞬たりとも忘れなかった。
感じやすい女が、男は好きだからだ。
そんなのが、愛を感じるからだ。


キリンが、生き残るために樹上の草を食べたくて首が伸びた、
なんて説があったが、そのとおり。
私の体は、自然と感じやすい体になった。
誇るべき進化だった。
男性恐怖症だった私が、セックスできるようになった。
私は、これで何とか生きていける。
何とか、誰かに愛してもらえる。


ようやく彼の性器が正しい穴に突っ込まれて、
私は、一安心した。
私は、何度もいってみせた。
自分がセックスが上手いと感じられて、男性は喜ぶからだ。
そんなのに、愛を感じるからだ。

でも、彼は射精しなかった。
いつもそうなんだと、彼は言ったけれど、
他の女とそうであっても、
私とセックスする限りは、そうであってはならないのだ。
私の進化は、未完だった。
これでは、生きていけない。
これでは、愛されない。
その夜は、眠れなかった。


次の日の朝、私は彼のものを、もう一度口にすることにした。
彼は、Sだと言い張るから、SMっぽいものなら、いいのかもしれない。
でも、縛り方を彼は知らないし、口ばかりで、
Mのことを何にも知らなかった。
MがSに、手ほどきをするのは、どう考えてもおかしい。


私は、もう玩具のダッチワイフになるしかない、と確信した。
私は、彼に、私の喉を犯してくれるように頼んだ。
仰向けに寝た私の喉に、彼の凶悪な性器が押し入ってきて、
私は何度も吐きそうになった。
縛られも何もしていなかったが、
規則的に動く彼の腰を何度も押しのけたい衝動にかられたが、
一切抵抗しなかった。
我慢するんだ、我慢するんだ、
彼が射精するまで、そのときまで私は玩具になるんだ。


彼が、いく、と言って、私の喉の奥に射精した。
喉を塞いでいる性器と、溢れる精液で、私は窒息した。
気を失うかと思った。
でも、決して彼のものをくわえることをやめなかった。
必死で飲み込んだ。
精液なんて、不味いだけだ。
でも、頑張って自分の心を捻じ伏せれば、
精液だって美味しいと感じられることを、体験で知っている。
美味しいはず、美味しいはず。
私は、生ぬるく生臭く喉にからみつく精液を、
嘔吐をこらえて飲み込んだ。
男性は、精液を飲んでもらうのが好きだからだ。
そんなのが、愛を感じるからだ。


彼は、とても喜んでくれた。
これなら、毎回いけるよ、と
彼は新しい玩具を見つけた少年みたいな顔で笑ってくれた。
初めて買った車に乗ったときみたいな笑顔。
よかった。
私は、使える。
大丈夫。


私は毎度、ダッチワイフとして愛用された。
私の体液で塗れた彼の性器を喉につきたてられると、
一体、私が娼婦になっているのか、
それとも彼が私を人形にしているのか、
わけがわからなかった。


彼が、私で射精すると、安堵した。
でも、すぐに不安が襲ってくる。
彼は、何度射精すれば満足してくれるだろうか。
射精しなくとも、いじらしい私の姿を見て満足するというなら、
望むままのことをしよう。
でも、口に出されなくとも分かる。
私は、優秀な性具でなければならない。
だから、言われる前に、彼の好みを察知して、
リコールされることのない、欠陥のない玩具になるのだ。


ある日、子供が欲しいから、中で射精しようか、と、
突っ込んだまま彼が言った。
私は、恐怖で髪が逆立つかと思った。
叫ぶかと思った。
優秀なダッチワイフに徹するべく、
私は、弱々しく首を振った。
いざって逃げた。
激しく拒否すれば、男性は傷つくからだ。


でも、私の中で射精?
子供が欲しい?
私が、いつ子供が欲しいって言っただろう。
私は、言ってない。
それは、私の望みとは違う。

私は、人形じゃない。
私は、玩具じゃない。
私は、娼婦じゃない。


でも、売りたがったのは私だ。
そして彼も、買ってくれた。
私は自分を、多少安値で売った。
そうすれば、愛される。
テレビドラマで見るような恋愛だとか、
友達がしているうっとりするような恋愛ではなくても、
少なくとも、寂しさからは抜け出せる。
両親だって、学校の先生だって、友達だって、
いつでも、犠牲と愛のトレードを滞りなくこなしてさえいれば、
私を見捨てることはなかった。
私が生きてきた人生の中で、そのルールが間違えたことはなかった。


でも、気がつけば私と彼は、
私が願っていた恋人とは、全く違った形になっていた。
買った者と、買われた商品が、対等な身分であるはずがない。
私が、これまで信じてきた通貨は、
食べ物が買えたり、家賃を払えたりする紙切れよりも、
頼りない通貨だった。
私自身を売ることは、
それなりの対価を得られて当然なのに、
私はただの玩具に成り下がっただけで、呆然とした。



玩具として育ったら、玩具として生きていくしか知らない。
見捨てられる恐怖を覚えこまされた人間は、
見捨てられないために、物になる。
でも。
哀しいことに、決して、物にはなれない。


あれは、スーちゃんて子だった。
私は、ロールプレイングの世界で生きている。
都合が悪いことや、思い出したくない記憶には、
人格と名前をつけて、役割を与えて、
自分の事だって分かってるくせに、他人事を決め込む。
自分が曖昧で記憶が曖昧で、
相手が変わる度に、いつも名前が違うんだ。
これは、過去の話。
もう過ぎ去った話。
名前と共に、捨てた話。
私の記憶は曖昧。
なのに頭痛で、私の頭が割れそうだ。



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Author:美鳥(みとり)
被虐待サバイバー。解離性同一性障害、うつ病、対人恐怖症ほか色々闘病中。境界性パーソナリティ障害寛解しました。毎日の光と影を綴ります。生育歴・来歴・病歴・活動はこちらをご覧下さい⇒<はじめに Profile>

講演活動・ユーストリーム放送しています。
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