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2007/12/20 (Thu) ひかりとかげ

前回の記事に頂いたコメントのお陰で、カウンセリングに行けた。

決めた通り、ちゃんと話そうと思ったけれど、怖くてたまらなかった。
「あやが」と言ったきり、しばらく言葉が出なくて、涙ばかり溢れた。

頂いたコメントが、私の背を押してくれた。
「あやは死にました。殺されました。もういません」と伝えた。
いつ死んだのか、と訊かれたから、
フラッシュバックで思い出したシーンを話した。

先生は、あやを知っている。
あやと彼と一緒に、何度もカウンセリングを受けたし、
「あやちゃんは・・」と思いだして話してくれる先生は、
ちゃんと私が知っているあやの愛らしさ、純粋さを知ってくれていた。

一人でも、あやを知ってくれている人がいて、良かった。
私は、「あんなにいい子だったのに。あんなに一生懸命生きたのに。
あやがかわいそうすぎる」と泣いた。


あやが、妊娠・堕胎を怖がっていたことも、話した。
レイプは、セックスでも何でもなくて、ただの暴力だと思う。
それでも、快感を感じて二度も射精しやがった男は、単純に死ね、と思う。
あやはなぜ、あいつを殺さなかったんだ。
「男の支配欲」とか言い訳をしようが、
愛しているが故と言おうが、私は許さない。
あやの男は、堕胎手術について行く、と言ったが、
ついて来たから何なんだろう。
彼が蹂躙して射精した私の膣に金具を突っ込んで、
麻酔なしに生きたままの赤子の体を切り刻んで、
ピンセットでお前が取り出してくれるのか?


女は、いつまでも覚えているものだ。
自分の体に宿った命のことを、たとえ一日だったとしても覚えているものだ。
1年経てば、あの子が生まれていれば一歳だったろう、と思うし、
20年経てば、あの子が生きていれば二十歳だったろう、と考える。

DVで、夫に血が出るまでレイプされて何度も望まぬ妊娠を強いられて、
子供ができる度に堕胎手術を受けさせられている友人がいる。
手術で失くした子供の性別を全て覚えている。
酷すぎる。
セックスでも何でもない。
レイプは、ペニスを使った殺人だ。
でも、罪悪感を背負って生きていくのは女性だ。
自身に宿った、自身の一部を生きたまま切り取られ、
廃棄物として捨てられるのは、女性の身体だ。
男の屑の豚野郎。
レイプするなら麻酔なしでお前のペニスを切り取って捨ててやる。


先生は、あやはまだ生きている、と言った。
私は、なんで?と叫びたかった。
あやは、死にました。もういません。
そういったけれど、
「あやちゃんが死んだといって泣いている、あなたの中で生きているのよ。
前のあやちゃんとは違ってしまったかもしれないけど、生きてるのよ」
と先生は言った。
私は、あやが死んだ、と思ったとき以上に絶望した。
私の心を読んだように、先生が訊いた。
「それとも、あやちゃんが死んだと思いたい? 生きてると思いたくない?」


頭を殴られたような衝撃だった。
そうだ。
私は、あやが死んだと思いたい。殺されたと思いたい。
あんなにひどい目にあって、
あんなに純粋で傷つきやすくて優しかった彼女が、
涙の一滴も出なくなるくらい、消耗しきって疲れきって、絶望して。
それでも、まだ生きているんだとしたら、その方が残酷すぎる。
そんなの、あやがかわいそう過ぎる。

先生は、彼のペニスを切り落としたいと思ったとき、同時に一緒に
あやちゃんも切り捨てるしかなかったんじゃないの?と言った。
あやちゃんがかわいそうだから、あやちゃんは殺されたんだ、と
あやちゃんの悲しみ、
Yへの怒りを、あなたは伝えたいんじゃないのか、と。


その通りだと思った。
あやは、殺された。
私にとって、愛しくて愛しくてたまらない、いつも明るい笑い声を立てて、
好きな人を信じて、甘えて、頼って、たまにわがままを言って、
そんなあやの喪失に、私は悲しいと同時に虚しくて腹が立って仕方ない。

でも、分からない。
じゃあ、あやと彼を一緒に切り捨てたのは誰?
私なのか? 
私が、まだ生きているあやを、死んだことにして、
生きているあやを棺に入れて、埋葬を美鈴に任せたふりをして、
私の都合で、あやを死んだことにしているんじゃないんだろうか。



美鈴のことも、5?7歳くらいの子供のことも、彼女たちの姿も、
幻聴で聴いた美鈴の声も、
青い会議室で会議していた黒いスーツを来た男たちの声と姿も話した。
以前も話した気がするけど。
先生は、幻聴や幻覚が起こる場所に意味があるという。
そういえば、ほとんどキッチンで起こる。
キッチンに立って食器を洗っていると、幻聴幻覚が起こることがある。
目を開いているのに、声と映像が見える。
虐待されるのはいつもキッチンだったから、キッチン恐怖症。



SMプレイなんてやるくらいには、私はセックスが好きだ。
生々しい行為ほど、愛しく感じる。
女性としての自分が好きだし、だから男らしい男性が好きだ。
あやが私の一部というのなら、甘えることも頼ることも好きだ。
けれど、今の私には男性と手を繋ぐことすら怖い。
どうして、男性はレイプしてても快感を感じられるんだろう。
暴力を、楽しむことができるんだろう。
射精に、無関心でいられるんだろう。
男性は、恐ろしい。
怖い。
これは、美鈴じゃなくてあやの記憶。
あやが感じたことだ。
私は、一体誰なんだろう。
そのことになると、先生といくら話しても分からない。
あやが生きている、と言われても、やっぱり分からない。


病院で言われたことを話し、私は自分のことが分からないが、
今、十分すぎる位休んでいると思うのに、
これ以上何をすればいいんですか、と訊いた。
何を基準にあとどれくらい休んだらいいのだろう、と。
先生は、あなたは自覚していないけれど、
ちゃんと自分の意志で動いてるのよ、
と具体的に私の行動と発言を教えてくれた。
「カウンセリングに来たくなかった。でも、来た」
「あやのことを話すのが苦しかった。でも、頑張って話したかった」
「医者にあやのことを考えるな、と言われた。でも、考えたい」
確かに。
私は、いないようで、ちゃんと何か意志を持って動いている。
ただ、離人感が強すぎて、身体と意識が分離して見えないだけだ。


帰りの電車の中で、どうでもいいことを思い出した。
何年も前、付き合っている彼氏がプロポーズしてくれない、
と知人の女性は不満を口にした。
結婚願望がないし、今結婚する気はない、と言われたらしい。
彼氏に黙って、全てのコンドームに針で穴を開けた。
笑って、そんな話を聞かされた。
間もなくして、彼女から結婚式の招待状が来た。
できちゃった婚、だった。
私は、結婚式に出席しなかった。
多分、新郎はにこにこと幸福そうに微笑んで、
愛する新婦とリボン付きのナイフを握って、
ケーキ入刀、なんてやったんだろうけど。
豪華なドレスと、大仰なBGMと、
拍手と涙と祝福の嵐、だったんだろうけど。

人間は、本当に複雑で、光と影、愛と暴力で出来ている。


最近、ほとんど食欲がない。
でも、今日は病院とカウンセリングに行った帰り、
たこ焼きも買えた。キイルのサンドイッチも買った。
あやが、まだ死んでいないかもしれないことも聞いた。
私には、まだ分からないことだらけだ。
生きていくということは、なんて苦しい。
苦しすぎる。

でも、生きる。
私は、生きる。
生きて、あやを探さなきゃいけない。


関連記事
<セックスと。甘いいちごと。どろんこハリー。>
<あやを殺した男>
<赤ちゃんパズル>
<彼女の棺>
<彼女の死亡届け>

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こんばんは。
美鳥さんは、あやちゃんを探す為にも、「生きる」。
この「生きる」という言葉が、とても力強く聞こえてきました。
先生のおっしゃった事から、逃げないで「探す」と言うそのまっすぐなところ、素敵なところだと思います。

人間とは、本当に複雑なものですね。
自分で自分の事を、どうにもできない事がある。

そして、男の人は、どうして力でねじ伏せて、セックスをする事ができるのか。(すべての男性が、そうだと言っている訳ではないです。)そのあと、「君が◯◯だから、いけないんだよ。」と平気で言えるのか。どうしてもわからない。
「人には手が2つしかないのだから、何かを手放さないと、新しくつかめないよ。」と言う人もいたけれど、手放し方がわからない。
手放せるのなら、忘れる事ができるのなら、とっくにそうしている。
だから、愛せない、愛したくない。触れたくない。
だから、きっと私は一生ひとりだ。
そう思います。

ここにこんな事書いていいのか、迷いましたが書いちゃった^ ^
読んでいて、こんな事思い出したり、思ったりしていました。
あ。これがきっかけで、苦しんだりしてるって事はないので、心配しないでくださいね~。

いつかは、手放せるときが来るかもな~って思ってます。

2007/12/20 22:34 | akatokikudachi [ 編集 ]


 

こんばんは、Yorkeです。

わたしのブログにコメントいただいてから、
美鳥さんのブログを何度か拝見させていただいて
初コメントになります(笑)

コメントをするべきかしないべきか悩みましたが、
わたしはコメントされると嬉しかったという考えのもと、
自分本位ではありますが、コメントさせていただきます。

不快でしたら、削除していただいてもかまいません。

ブログ全体を読ませていただいて、
わたしの想像が及ばないところもあります。

ですが、ふと思いました、、、
いろいろな人がいろいろな経験をして、
いろいろな事を思い、過ごされてるんですね、今も。

わたしは美鳥さんと同じ経験を歩んでいません。
わたしは美鳥さんの経験を読んでも、想像の域をでません。
わたしは美鳥さんの苦しさ、悩みを理解できません。
ですので、わたしは助けることはできないでしょう。

勿論、美鳥さんがそれを望んでいるわけではない
ことも理解しているつもりです。

ただ、美鳥さんという人物をわたしの中に、
刻んでおこうと思います。

まだまだ苦しい時間が流れていると思います。
まだまだ歩き出すのが難しい時間かもしれません。
わたしもですが、、、

けど、時間は止まらないです。
同じ時代に生まれたわたし達ですし、
身をまかせ同じ時代をお互いゆっくり歩きましょう。

また遊びにきますね!

2007/12/21 02:22 | Yorke [ 編集 ]


 

レイプする事で射精できる男は、私も理解できません。きっとその様な男は、相手を思いやる気持ちや、女性が自分と対等な生き物だという認識すら無いのかも知れません。私は男性として、その様な「男」が存在する事が残念です。でも男性全てがそうではありません。どうかその事に絶望しないでください。一人の男性として、切に願うしだいです。
たかはし

2007/12/21 06:23 | takahashi [ 編集 ]


>>akatokikudachiさん 

おはようございます akatokikudachiさん。

>ここにこんなこと書いていいのか
書いてくださって、ありがとうございます。何書いて頂いても大丈夫ですよ。私が記事で隠語バンバン書いてますから、何も恐れることはありません(笑)思ったまま書いていただいて嬉しいです。ありがとう。
「人には手が二つしかない」という話、私も聞いたことがあります。そう思ったので、友人も含め、続けられないと思った人との手を離してきました。これはあくまで分かりやすい例えとしてですが、今の私は両手があいていて誰とも手が繋げる状態、でも懐に剪定ばさみ(男性が怖がるので使用目的は書きませんが)といったところでしょうか。抱きしめられたがってるくせに、懐は猟奇な女(笑)複雑です。
女性の人権を謳うフェミニズムというものが私はヒステリックに思えて、どうしても好きになれません。女性の立場に立った時点で、男性と対峙してしまうからです。意のないセックスというものは、男女論ではなく単なる暴力として語られるべきだと思っています。
現在も過去も、人間は本当に複雑で大変ですよね。

akatokikudachiさんが「あやちゃん」と書いてくれたのを見て、安心しました。彼女は、やっぱりちゃんといたんだ、と思えるんです。正直、もう死んだと思いたがっている自分がまだいます。怖いです。でも、私は彼女がとても好きだったので、生きているなら探さなければ、と思います。
素敵だとおっしゃってくださって、ありがとうございます。ものすごい逃げ腰ですが(笑)がんばります。
ワンコちゃんのこと、読みました。苦しみを同じく味わおうとされるakatokikudachiさん、本当に優しいです。ワンコちゃんが少しでも安心して眠れるようにお祈りしています。

2007/12/21 06:30 | 美鳥 [ 編集 ]


>>Yorkeさん 

こんばんは Yorkeさん。
ご訪問、ありがとうございます。
Yorkeさんが書かれたような理由で、私のブログにコメントを寄せようか迷った、とおっしゃる方が何人もいらっしゃいました。多分、私の記事が一見ちょっと怖いからだと思います(笑)客観的に見て、私もコメントしにくい、と思いますから、それでもコメントして頂く方に私は有難いと思いこそすれ、不快には決して思いません。読んで頂き、その上コメントまでくださって、ありがとうございます。
同じ経験をしていても、互いを助けられるわけではありません。一人でやらなければならないことの方が、人は多いような気がします。
立場を逆にすれば、私はYorkeさんに禁煙の話なんて書きましたが、もしかしたら「禁パチ・禁スロはそんな甘いもんじゃないんだよ」と言われるかもしれません。実際、私には分からないからです。
でも、コメントすることで少しでも応援になれれば、という気持ちで書きました。Yorkeさんも、同じ様なことを考えてコメントくださったのだろうと思うと、嬉しいです。ありがとうございます。
こんなやつもいるんだなぁ、と思って頂けるだけで十分です。
また、ぜひ遊びに来てくださいね。

2007/12/21 06:47 | 美鳥 [ 編集 ]


>>たかはしさん 

この記事に、男性であるあなたからコメントを頂けて、ほっとしています。ありがとうございます。
私は、ヒステリックに女性の人権だけを叫ぶようなことは嫌いです。こういった形の暴力もある、後々の堕胎手術の残酷さ、心に残る傷と怒りを書きたかったんですが、男性全体を糾弾するものにはしたくありませんでした。
ですから、男性として、発言して頂いて、本当にありがとうございます。
あやをレイプした男は、ある意味あやに対して世界で一番優しい男でした。快感なしに射精はしないし、好きな人としかセックスしない、SMは信頼関係だ、と言っていた男でした。その彼が、一転して暴力を振るった事実が、より深い傷になっています。
一度そんな体験をすると、他の男性と付き合い始めて別れるまで、この人もそうなるのでは?という恐れを常に抱いてしまいます。一言で言えばトラウマなんでしょうが、本当に罪な行為だと思います。
そんな男性ばかりではない、と思いたいです。でも怖いから、これ以上悔しい思いをしたくないから、自分からはもう求めない、そんなところに今立っています。
励ましていただいて、ありがとうございます。
心から愛せる男性と出会うまでは、自分を磨いて強くなりたいと思います。
コメント、本当にありがとうございました。

2007/12/21 07:01 | 美鳥 [ 編集 ]


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プロフィール

美鳥(みとり)

Author:美鳥(みとり)
被虐待サバイバー。解離性同一性障害、うつ病、対人恐怖症ほか色々闘病中。境界性パーソナリティ障害寛解しました。毎日の光と影を綴ります。生育歴・来歴・病歴・活動はこちらをご覧下さい⇒<はじめに Profile>

講演活動・ユーストリーム放送しています。
講演のご依頼ご相談は、当ブログメールフォームからお願い致します。

診断名の有無に関わらず、生き辛さを抱える方々と温かい繋がりを目指しています。ご感想ご意見など、お気軽にどうぞ。お待ちしています。

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