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2008/01/13 (Sun) ベイビー・イン・ザ・バスルーム ? 強迫性障害 ?

私は、強迫性障害を患っている。
強迫性障害と言うと、
異常に潔癖で何時間も手を洗っているイメージを持たれるかもしれないが、
強迫性障害は、実は様々な表れ方をする。


私が知っている範囲内で書くと、
手を洗わずにはいられない、洗っても洗っても不十分に感じる「不潔恐怖」、
鍵をかけたか、ガスの元栓を閉めたか、読み逃した封書はないか、
などに執着する「確認強迫」、
外出する際、必ず決まった足から外へ出る、
一日で右に回った同じ回数左に回らなければ気がすまない、
特定の数字を恐れる(数字は人によって異なる)「縁起恐怖」などがある。


15年近く引きこもっている私の弟は、重度の強迫性障害で、
上記の全ての症状とその他を抱えている。
異常行動が一つずつ増えていき、今やまともな生活を送れないまでに悪化した。
強迫観念に完全に支配された生活を送っている。
強迫的に決められたルールに従うだけで一日が終わってしまい、
時間が足りないので、常に焦って苛々して過ごしている。
異常に不潔を嫌う一方で、
弟は自身の部屋の掃除を10年以上、一度もしていない。
真冬でも窓を開け、なぜか寝袋で寝ている。
下着は、半年に一度しか替えないため、
白い生地も文字通り真っ黒になる。
髪は、伸ばし放題か、丸刈りかのどちらかだ。
ズボンは破れていて、ぼろぼろ。
夏には、強烈な垢の匂いがする。
家族の都合でルールが守れないと、
顔色が変わり、ときに暴力に発展する。
強迫性障害のために、弟は、治療のために病院に行くこともできず、
また、外出する為には、前日からの儀式的な準備を要し、
帰宅してからも、また同様の儀式的な清め行為を要する。
自然、外に出ることも少なくなった。
致命的な年数、引きこもり続ける悪循環に陥っている。


多くの強迫性障害は、薬と認知療法、
行動療法などで治すことが出来る。
受診する勇気や、周囲の理解、協力を得られれば、
乗り越えられない病気などないと信じる。
ただ、何かしらのトラウマが根っこにある場合は、
単純に薬だけで治すのは難しい。
時間がかかるので、本人も周囲も、
根気強く治療を続けることが必要だ。


私の強迫性障害は、
カウンセラーが言うには、
記憶から追いやった幼少期のトラウマが起因しているという。
それでも、弟に比べれば、恐ろしく軽症だ。

実は、私が持つ病の中で、
強迫性障害について触れるのは、出来る限り避けてきた。
苦痛なので、記事にするには時間がかかった。
考えただけで、吐き気がする。
何度も書きかけては、嫌悪感に襲われ、放り投げてきた。
だが、こんな症状もあるのだ、と、お伝えできたらと思う。
強迫性障害という病は、
悪化すると、日常生活を営むことさえ不可能になる病気だ。
一人でも理解者が広がり、
当事者や家族にとって、
治療しやすい環境が進むことを心から願う。


私の症状は、冒頭で説明した中の「不潔恐怖」に含まれる。
ただし、浴室に限ってのみで、それ以外は健常者と何も変わらない。
普段は、どちらかというと、おおざっぱで、
電車の吊革も平気だし、まわし飲みも何とも思わない。
土いじりが好きだし、楽しみのために汚れることが気にならない。


私が嫌悪する対象は、なぜかバスタブ、洗い場、浴室だけだ。
恐怖と言ってもいい。
いくら磨いても磨いても、「汚れている」という観念が頭から離れない。
だから、入浴は一大イベントになり、
それこそ毎回、年越し準備をするようなエネルギーを要する。

たとえば、自分のマンションのバスタブは以下の手順で、何とか入れる。

1 使った直後に とにかく磨く
2 思い立ったときに、磨く
3 磨いたにも関わらず 使う直前にもまた磨く
4 念のため、入浴直前に水洗いする
5 浴室の照明は気分が悪くなるので、消す
6 キャンドルを灯す(なるべく周囲が見えなようにするため)
7 もしくは本、雑誌を持ち込む
8 気を紛らわせるため必ず音楽をかける ジャズが良い
9 入浴剤は必ず入れる 泡風呂など、
  なるべくバスタブの底が見えないものを選ぶ
10アヒルの親子を浮かべる
  無理矢理童心に戻し 遊び感覚を演出する

以上のことを、必ずやらなければ入浴できない。
入ることが出来れば、しばらくは楽しい。
大好きな音楽を静かに聴きながら、半身浴する。
たまに、本を読む。
お気に入りの入浴剤クナイプは、
香りが幾つもあって、選ぶときも、入ってからも楽しい。
気を許した恋人なんかと入ると、
最後まで大丈夫だったりする。

でも、気が緩むと吐き気が襲ってくるので、
入浴中は気を張り詰めている。
リラックスしながら、緊張しているのだ。
入浴恐怖、嫌悪感を、ただひたすら誤魔化し続ける。


私の脳を襲ってくるのは、
「バスタブと洗い場が汚れている。入浴することで自分が汚れる」
という強迫観念。
理屈ではない。
オートマチックに体が嫌悪を示す。
入浴が怖い。
カウンセリングで、たまに話題になっても、吐き気がする。
シャワーは、数段ましなので助かっている。
でも、それすら以前は、
何度吐き気に襲われてバスルームを飛び出したか分からない。
現在は、カウンセリング療法のお陰なのか、抗鬱薬のせいなのか、
随分症状は軽くなった。
でも、やはり上記の準備をしてからでないと、シャワーはともかく、
入浴はできない。


カウンセラーに、浴室に関する子供時代の記憶を訊かれることがある。
浴室に、幼少期のトラウマがある、と言われている。
けれど、今のところ決定的な記憶は見つかっていない。

私が覚えているのは、ただ一つだ。
3歳位の頃に、ひなまつりの子供用甘酒を両親が買ってきた。
ガラスで出来たコップはペアで、
お雛様がついている赤いコップを、私は気に入った。
大事にしたくて、私は浴室でコップを洗おうとした。
両親に止められたが、自分で洗いたかったのだと思う。
洗っていて、コップを落として割ってしまった。
母に、きつく叱られた覚えがある。
多分、母は私の怪我を恐れて怒ったのだと思うが、
そこらへんの記憶が、あまりない。
コップのデザインは覚えているが、それ以外は、記憶がない。
文字だけの年表として、箇条書きに記憶している。


あまり問題のないバスタブもある。
リゾートホテルの清潔なバスタブは大丈夫だ。
温泉は朝風呂に入るくらい大好きだが、洗い場は駄目。
浴室のタイルとガラスが、駄目。
入浴剤、特に泡風呂などバスタブの底が見えないものはOK。


これは、治るんだろうか?と、よく不安になる。
私の入浴恐怖で、これだけ生活に支障が出て、苦しいのだから、
複数の症状に見舞われている強迫性障害の人たちは、
どれだけ苦しいだろうかと思う。
強迫観念は、その都度その都度、襲ってくる。
逃れるために、毎度、滑稽な程の労力と時間を要する。
強迫性障害患者が、最も苦悩し、苦痛を感じるのは、
「時間・人生を強迫観念で浪費する」という点ではないかと思う。


お風呂に入った後は、もちろん気持ちがいい。
清潔にすることが、私は好きだし、女を捨てたような生活は嫌いだ。
だからこそ、何とか治したい。
頑張るが、毎回、精神的にも体力的にも、ヘトヘトになる。
私の書棚には、「バスタイムを愉しむ」だとか、
「手作り入浴剤」だとか、「アロマバス」だとか、温泉ガイドだとか、
そんな本が何冊も並ぶ。
入浴恐怖なのに、入浴剤や入浴グッズに詳しい。
皮肉なものだ。


バスルームに、いるのだ。
怖い怖いものが棲んでいる。

入浴中、突然髪が逆立つような恐怖にかられ、
思わずバスタブの底に目を落とす。
すると、見える。
暗く深いバスタブの底、
泣きながら糞尿を垂れ流し、
這い上がれないまま汚物に塗れて窒息しかけている、
3歳くらいの幼児が見える。

今の私は、その子を救ってやれない。
引きずり込まれて、私まで溺れ死んでしまうから。
幼児の突き刺すような視線を感じながら、
見えないふりをして、愉しんでいるふりをする。



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強迫性障害 | comment(4) |


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2008/01/14 05:25 | [ 編集 ]


>>鍵コメさん 

いつも読んでくださって、ありがとうございます。

治療は、まず病気だと自分で認識することから始まりますよね。
焦燥感、すごくよく分かります。

苦肉の策「アヒル」を、かわいいと言ってくださって、ありがとう(笑)
お風呂に浮かべるアヒルの親子の子供の方は、バランスが悪いらしく、アヒルのくせに泳げません。
浮かべると、転覆してドザエモンになります(笑)
玩具ながら、波間でひっくりかえっているアヒルは、気の毒です。
そんなわけで、子アヒルは、いつも岸からママアヒルを眺めています。
コメント、いつもありがとう!

2008/01/14 14:43 | 美鳥 [ 編集 ]


強迫性障害、とまではいわないけれど。 

私も、お風呂はスゴく苦手です。
自宅はいいですが、よそのお風呂は気が休まりません。
バスタブに背中とかつける事も出来ないし、床やイス、桶も嫌。
脱衣場の床やイス、ドライヤーも嫌。
触りたくないし、踏みたくない。
洗っても洗っても、きれいになった気がしない。
そんな私は強迫性障害に近いところにいるのかもしれませんねぇ。
母親が、時々近所の温泉に行きたがるのですが、朝イチでなら何とか行けます。人も少ないし、掃除した直後だから(笑)
お風呂に入ると、やっぱり気持ちがいいのですけれど、気合いもいります。

生活に支障が出るほどの、強迫観念を持っていると、さぞつらい事でしょうね。皆さんの治療がうまく進むといいなぁ。

2008/01/15 23:59 | akatokikudachi [ 編集 ]


>>akatokikudachiさん 

akatokikudachiさん こんばんは。
過去記事にコメントくださって、ありがとうございます。

私と似てますね。
よく分かります。
特に「気合がいる」っていうの、ほんと、気合で入ります。分かるな~。

本当に重度の方だと、大変だと思います。うちの弟もその部類ですが、自分はまだまだ軽い方なんだなぁ、て。強迫性障害に関わらず、人っていろんな癖や嫌悪の感覚を持ってますよね。
近所に温泉!いいですね~!
いいですね~って、私が言ったらおかしいな、と今思いましたけど(笑)
温泉好きです。
でも、akatokikudachiさんの嫌悪感も、すごく分かる。
複雑です。

2008/01/16 18:33 | 美鳥 [ 編集 ]


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プロフィール

美鳥(みとり)

Author:美鳥(みとり)
被虐待サバイバー。解離性同一性障害、うつ病、対人恐怖症ほか色々闘病中。境界性パーソナリティ障害寛解しました。毎日の光と影を綴ります。生育歴・来歴・病歴・活動はこちらをご覧下さい⇒<はじめに Profile>

講演活動・ユーストリーム放送しています。
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診断名の有無に関わらず、生き辛さを抱える方々と温かい繋がりを目指しています。ご感想ご意見など、お気軽にどうぞ。お待ちしています。

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