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2010/10/12 (Tue) 「砂と兵隊」の感想もどきとか

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平田オリザ作・演出の演劇、「砂と兵隊」を見に行ってきた。
1年前に気まぐれに見た彼の作品「東京ノート」に衝撃を受け、そこで知り合った方に誘われて「北限の猿」を見に行って感動に震え、彼の演劇論の本なぞまで読んで、約1年ぶりの観劇だ。

最近いつ鬱が襲ってくるか分からない不安定な状態が続いているので、事前にチケットを購入するのは冒険だった。世は連休だし、人ごみの中電車を乗り継いで行くのは至難の業だ。薬が要る。
それでも出かけたのは、以前見た「東京ノート」と「北限の猿」の感動が忘れられなかったからだ。人間が作り人間が表現し、人間が情熱を注いだものに触れると元気が出る。出かけて行かなければ触れられないから、ならば出かけるしかあるまい。


電車の中でやっぱり頓服を飲まなければならなかった。
ホールに辿り着いて受付でチケットを受け取ると、一緒にマスクを手渡された。「公演は、大量の砂を使用しておりますのでご着用ください」とのことだった。演劇のチケットにマスクが付いてきたのは初めてだ。

元引っ込み思案で影のように生きてきた私は、最近は常に席は最前列のど真ん中と決めている。後ろの隅っこで小さくなっているのは、頑張ってもうやめたのだ。

平田オリザの舞台の特徴は、客席と舞台にまずは殆ど段差がないこと。だから、最前列に座った私のつま先から30センチ先はもう砂山で、機関銃が2つ砂に突き立って半分埋もれていた。

もう一つの特徴は、開場して客がどやどや入ってきて、開演までガヤガヤしているときに役者がスッと舞台に現れて、既に劇が始まっていること。開演の口上が始まる前に、舞台上では劇が動き始めている。ざわざわ皆が席を探している間にも、舞台の砂漠では兵隊がぽつぽつ現れては匍匐前進していった。


平田オリザの舞台の最大の特徴は、役者が客席に向かってセリフを喋らない。
私がそれまで知っていた演劇というのは、客席に向かって喋りかけられるものだから、どう反応して良いのか分からずドギマギしていたたまれない思いをすることが多かった。突然歌いだしたり、歌い終わった後にまた劇に戻ったりの微妙な間が不自然に思えて、演劇はとても苦手だった。平田オリザの舞台に偶然出会って、青年団の演劇だけは見るようになった。

平田オリザの舞台では、役者が客席に背中を向けるなどは普通。更には複数人のセリフがかぶりまくる。普段私たちが会話するように、誰かが意味のないことを言ったり、同時に誰かが実は重要なことを言ったり、それを誰かは聞き逃していたり、誰かは実は聞いていたけれど聞かないふりをしたりする。見ていると、自分たちも生活の中で全く同じ形態の会話を繰り広げていることに気づく。
有機的で煩雑で、作為、無作為、利害、表と裏が絡み合って舞台の上で作り上げられる人間のコミュニケーションの本質が見えるようだ。
そんな演劇は見たことがなかった。オリザさんを知って、私の人生の楽しみが一つ増えた。オリザさんの演劇なら見たい、演劇に興味はないがオリザさんの演劇論なら知りたいと、ちょっとしたファンになった。



今回の「砂と兵隊」は、そこそこ面白かったけど全体に期待外れだった。よって私は、終劇と共にド鬱に逆戻った。
オリザさんご本人が出口近くに立っていた。一人の女性が「今回も面白かったです!」と言って握手を求めていたが、私はその横でアンケート用紙に「期待と違って残念です。でもまた見に来ます」と書いた。沈んでホールを出た。

近くのショッピングモールに寄った。何とか気分を盛り上げようとしたけど、どうしても劇が引っかかる。何か惜しい。私が言っても仕方ないけど、あれは何かが足りない。何だろう?どうしたらいいんだろう?と考え続けていたら、早く帰って小説を書きたくなった。まともに書けやしないだろうけれど、何か書かずにいられないような、もやもやしたものは自分で解消しなくちゃという気持ちになった。

無印良品で、大好物の「黒こしょうせんべい」と「紅茶クッキー」を買い溜め。そして、ずっと欲しかったアロマディフューザーを買った。主治医に、家で寛げるようにアロマテラピーでも始めたらと言われたからだ。今月は家具も買ったから、痛い出費だ。過食で食費も異常にかかっているし、金銭感覚が壊れている。ツケは来月来るだろう。

演劇で知り合ったRさんは知人と来ていたので挨拶しかできず、別の友達に突然夕飯の誘いをかけてみたが遠すぎて落ち合えなかった。ついてない日は、本当ついてない。
ド鬱から引き上げようと頑張ったものの、本日は報われず。何もしないよりは良かったとしよう。動くときと休むときと、メリハリつけるコツを身に着けるのが目標。その練習には、なったかもしれない。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<「砂と兵隊」青年団 ネタバレ。感想もどき>

正直、私は今作の良さが全然ピンとこなくて期待外れだったので、これから見る予定の方はやめた方が良い。あくまで私個人の感じ方で、私は演劇観劇経験度0に等しいので私の感想は全然あてにならないと思う。

感想を一言で言うと、「チケット3000円は高い」。倍くらい高く感じた。
「東京ノート」や「北限の猿」には5,6000円出しても惜しくないが、「砂と兵隊」はハズレクジを引いた。入るときも出たときもオリザさんご本人がいらっしゃったのだが、私は帰りは腹立たしい気持ちにすらなっていて、その気持ちに自身で悲しくなった。一応、彼のファンっぽい気持ちでいるのだが、作品で裏切られたと感じたときの心理って複雑である。

どうしても前に見た二作と比べてしまうからか、「不条理」について私が強すぎる関心を持ってるからか、全体に期待外れが否めなかった。モチーフとモチーフを繋ぐ連結部が若干甘い。わざとそう作ったというよりも、あまり手をかけなかった感じがした。丹念に作りこまれた作品じゃないんじゃないか・・・大丈夫なんだろうかこのまま見ていても最後はちゃんと見てよかったと思えるんだろうか・・・という不安が、半分過ぎたあたりでひしひし押し寄せてきたものだった。

残念ながら最後までストーリーにさほど厚みを感じず、役者の演技は素晴らしかったのだけど、世界観に引きずり込まれるほどの魅力はついに持たず、終わってしまった。たとえば役者が悲痛に絶叫していても、共感するには一歩足らずに置いてけぼりを喰らう寂しい心地を味わったシーンが幾つかある。

もっとも残念だったのは、終り方だった。
演劇に限らず、漫画でも小説でもアニメでも、大抵一番ガッカリなのは「夢オチ」だ。その次にガッカリなのは「繰り返されるオチ」だ。ホラーものによくあるやつだ。例外は、エイリアンだ。あれは、何度も蘇るが故にエイリアンなので許す。

「砂と兵隊」は、「繰り返されるオチ」だった。ちょっとパラレルかましてるけど「繰り返されるオチ」だった。終演後も観客が席を立って会場を出ていく間も、舞台上ではずっと繰り返されていた。
私の中で、冒頭からの腑に落ちない作品への評価が決定付けられた瞬間だった。
小説でも何でも、最後の一行って全てを決する。
「砂と兵隊」のエンディングは、結末として「ありがち」だと感じた。やっぱり全体にそんなに考えて作られた作品じゃない気がした。ド素人の私が偉そうにいえることじゃないが、「砂と兵隊」は作りが甘い気がする。是非、痺れるように磨きあげられた「砂と兵隊」が見たい。

(感想もどき終わり)
・・・・・・・・・・・・・・・・・


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Author:美鳥(みとり)
被虐待サバイバー。解離性同一性障害、うつ病、対人恐怖症ほか色々闘病中。境界性パーソナリティ障害寛解しました。毎日の光と影を綴ります。生育歴・来歴・病歴・活動はこちらをご覧下さい⇒<はじめに Profile>

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