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2007/10/01 (Mon) love my life

数年前、ホームページを作っていた。
誰も存在を知らないホームページだ。
自分のパソコンにサーバーを立て、ただ一人の読者のために、
数年間毎日更新し続けた。
タイトルは「Love My Life」といった。
唯一の読者であり、
私が生まれて初めて心から愛した彼が、
私に何度も言った言葉がきっかけだった。
「私を愛さなくてもいい。
私のために何をしようとも思わなくていい。
まず自分自身を愛して」と彼は私に言った。
そんなことを私に言ってくれたのは、彼が最初で最後だった。
社会的に許されない関係だった。
でも私にとって、彼は全てだった。
私の母親であり、私の父親、兄、友人、哲学、言葉、愛情、力、
初めて私をありのまま受け止めてくれた、私の世界そのものになった。

愛せば愛す程、辛かった。
あらゆる努力をした。
忍耐もした。
愛を尽くし、言葉を尽くし、時間を尽くし、全てを尽くした。
信じて、疑い、期待しては裏切られ、報われてはまた裏切られた。
それでも愛していた。
泣かない日はなかった。
けれど彼に弱音を吐くこともできなかった。
関係が深まるにつれ、
自分自身を愛すことと、彼を愛することは、
決定的な矛盾を抱えていった。
自分をごまかし、自分を鼓舞し、
彼と生きていくための思いつく限りの道を考えた。
身を引くことを考えると同時、彼と茨の道を生きていくことを考えた。
気が狂いそうな数年を過ごした。



彼に別れを告げるまでの数ヶ月、
私は本当に私自身を愛することが出来ているのか、
と自分に問いかけ続けていた。
後悔はしていない。
決して後悔しない、彼に対して何があっても誠実であり続ける、
という決意が揺らぐことはない。
だから、後悔しない生き方をした。
そう胸を張って言える。
けれど私が愛しているのは、本当に私自身なのか。

私が愛しているのは、自分自身ではなく彼なんじゃないのか。
彼だけを愛していて、私は自分を愛することを知らないんじゃないか。
手探りで自分を探し、自分が見つからないから、
世界でただひとつ確かな存在だった彼へ、
ありったけの愛情と誠実を注いでいるんじゃないのか。


苦しみの時間は、ついに真実を暴いた。
私に、自分自身を愛することを教えてくれた彼は、
皮肉にも彼自身の人生を愛することを知らなかった。
互いに自身を愛さず、相手を愛していると叫び、
届かない理由を、私が彼より先に知ってしまった。
彼に別れを告げたとき、初めて分かった。
私も彼も、愛し方を知らなかった。
私にとって、そんな彼と別れることが、
自分自身を愛する一歩であり、
彼への愛を証明することでもあった。
第一歩は、自分の魂となっていた彼を切り離す、
血みどろの作業だった。


全てが過ぎ去った後、私は「Love My Life」を一度も開いていない。


私は、自分が誰なのかまだ分からない。
どんな性格で何ができて、何が好きなのかすら、
自分でも良く分からない。


恐る恐る唄い始めた鳥に似ている。
自分の唄を知らない鳥だ。
唄を知らないのに、唄いたい。




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Author:美鳥(みとり)
被虐待サバイバー。解離性同一性障害、うつ病、対人恐怖症ほか色々闘病中。境界性パーソナリティ障害寛解しました。毎日の光と影を綴ります。生育歴・来歴・病歴・活動はこちらをご覧下さい⇒<はじめに Profile>

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診断名の有無に関わらず、生き辛さを抱える方々と温かい繋がりを目指しています。ご感想ご意見など、お気軽にどうぞ。お待ちしています。

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